蓄電池
「急な停電が起きてしまった」「太陽光発電の売電価格が下がってしまった」こんな状況でも家庭用蓄電池があれば安心です。本記事では「家庭用蓄電池を設置したい!」という方に向けて、田淵電機の蓄電池を紹介したいと思います。蓄電池メーカーを選ぶときの参考にしてみてください。
田淵電機は大阪府で創業した老舗の電機メーカーです。
田淵電機は2011年にエネルギー事業ブランド「EneTelus(エネテラス)」を展開し、太陽光発電事業でも成果を上げます。
しかし、2017~18年に業績が低迷。そして、2019年に田淵電機はダイヤモンド電機の連結子会社となります。
さらに、2021年に80年以上続いてきた社名「田淵電機」を「ダイヤゼブラ電機」に変更しました。
田淵電機はエネルギー事業ブランド「EneTelus」の中で、家庭用蓄電システム「EIBS(アイビス)」を展開しています。
「EIBS」には太陽光発電と蓄電池の電気変換を1台で処理できるハイブリッドパワーコンディショナが用いられ、また太陽光パネルの発電ロスを削減するフルMPPT方式が採用されています。
さて、「EIBS」の特徴は次の3つです。
それぞれの特徴について以下で解説します。
太陽光発電と蓄電池の併用を最適化させるべく開発された「EIBS」はハイブリッドパワーコンディショナを搭載しています。
ハイブリッドパワーコンディショナの最大の利点は、電気変換の回数を減らすことで、効率的な創電・蓄電を実現できる点でしょう。
もし太陽光発電と蓄電池とで別々にパワーコンディショナを設けると、電気変換の回数が増えてしまい、その分電気ロスも増えてしまいます。
また、パワーコンディショナを1台にまとめることで、設置スペースを節約できるというメリットもあります。
「EIBS」の蓄電池は、長寿命で知られるリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されています。
そのため、昼間は太陽光発電から充電し、夜間はお得な深夜電力から充電する1日2サイクルの充電を繰り返しても、長期稼働が期待できます。
ちなみに、1日2サイクルの充電を行えば、太陽光パネルの設置容量が少ないご家庭でも十分な蓄電量を確保できるでしょう。
蓄電池に特に期待するシーンと言えば、停電時ではないでしょうか。
停電時に「EIBS」は自動で自立運転に切り替わります。
予め、バックアップ用の分電盤で、停電時に電力供給する機器を設定できるのです。
なお、電気が復旧した時の運転切替は、事前設定によって自動か手動かに分かれますが、手動の場合でも操作パネルで簡単に切替可能です。
田淵電機の家庭用蓄電システム「EIBS」は2タイプあります。
各タイプのスペックを以下にまとめました。
【EIBS】
型式 | PKG-EHD-S55MP3B |
---|---|
蓄電容量 | 4.0kWh |
寿命 | 12,000サイクル (1日2回の放充電で16年稼働) |
保証 | 10年/15年 |
【EIBS7】
型式 | EOF-LB70-TK |
---|---|
蓄電容量 | 7.04kWh |
寿命 | 12,000サイクル (1日2回の放充電で16年稼働) |
保証 | 15年 |
なお、同タイプは蓄電池ユニットを2台連結させることが可能なので、蓄電容量は最大で14.08kWhとなります。
田淵電機の家庭用蓄電システム「EIBS」の価格は、2タイプともオープン価格です。
そこで、相場を調べてみたところ、以下の金額でした。
タイプ | 相場 |
---|---|
EIBS | 約140万円 |
EIBS7 | 約150~260万円 |
EIBS7の相場に開きがあるのは、システム構成のオプションが多いためでしょう。
例えば、ハイブリッドパワーコンディショナは3タイプから選択可能であり、また蓄電池ユニットは2台設置する選択肢もあります。
なお、蓄電池の価格は設置環境によって大きく変わる場合があります。
そのため、正確な相場を把握するためには、ご自身で相見積もりを行うことが最適でしょう。
最後に、田淵電機の家庭用蓄電システム「EIBS」のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
1つ目のメリットは、設置自由度が高い点です。
「EIBS」を設置すれば、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナを1台にまとめられます。
また「EIBS」のハイブリッドパワーコンディショナは小型かつ軽量なので壁掛けも可能です。
したがって、設置スペースにお悩みの方におすすめの蓄電システムと言えます。
2つ目のメリットは、長期稼働が期待できる点です。
「EIBS」の蓄電池は長寿命設計に加え、15年間のメーカー保証も用意されています。
寿命に関しては、12,000回の放充電が可能なので、1日2サイクルの稼働でも心配ありません。
仮に4.0kWhの蓄電池を設置しても、1日2サイクルで8.0kWhですから、4人家族なら十分な容量と言えます。
1つ目のデメリットは、蓄電池単体で見ると、コストパフォーマンスが低いことです。
「EIBS」は太陽光発電との連携を重視した蓄電システムです。そのため、例えばハイブリッドパワーコンディショナひとつとっても、蓄電池単体で考えるとオーバースペックであり、その分コストの負担が大きくなります。
2つ目のデメリットは、適正価格を把握しづらいことです。
「EIBS」はオープン価格なので、販売施工会社によって価格に大きな差が出ることも珍しくないでしょう。
また相場に関しても、他社と比較すると、データが少ないため正確性が下がります。
そこで、「EIBS」の検討を進めるのであれば、先で述べたように相見積もりをおすすめします。
複数の販売施工会社から見積もりを取った上で、最も安くて信頼できる1社を選んでくださいね。