「太陽光発電の設置費用を知りたい」「設置費用をできる限り抑える方法とは?」太陽光発電を設置する費用は高額なため、こういった疑問を持つ方も多いでしょう。実際に、導入を検討していてもなかなか購入に踏み切れない、どうにか費用を安く抑えたいといった悩みはつきません。この記事では、太陽光発電の設置費用に不安を持つ方へ、設置にかかる費用相場・費用を抑える方法・太陽光発電の費用対効果・太陽光発電を設置する流れについて解説しています。記事を読めば、太陽光発電を設置する際の失敗を避けやすくなるでしょう。
太陽光発電の設置費用の目安
太陽光発電の設置費用は、1kWあたりで換算されるのが一般的です。
経済産業省の資料によると、2020年の平均は総額で28.6万円/kWという結果になっています。
くわしい内訳は、パネルで17.4万円、パワーコンディショナーで4.4万円、架台で2.3万円、工事費で6万円、残りが設備費です。
太陽光発電システムを導入する際にかかる費用で、大きく割合を占めるのは以下の3つとなります。
・本体
・設置工事
・ランニングコスト
それぞれの費用相場をチェックしてみましょう。
本体の費用相場
経済産業省の資料によると、2020年の本体価格の平均は24.3万円/kWです。
しかし、メーカーや扱う商品によって性能や発電量が異なるため、費用に大きな差があります。
設置工事の費用相場
経済産業省の資料によると、2020年の設置費用の平均は6万円/kWとなっています。
ただし、工事費用は値引きされるケースがあり、全体の平均にすると約1.8万円が値引き金額となっています。
設置費用が高くなる要素の1つが、屋根の形状です。
たとえば、水平の屋根である陸屋根は、雨漏りのリスクがあるため、防水処理に手間やコストがかかりやすくなります。
また、一般的には瓦屋根、スレート屋根、板金屋根の順番で工賃が高くなります。
他に、足場の設置代も費用を高くする1つの要素です。
家を新しく建てる際に、太陽光発電を一緒に取り付ければ、足場代が浮いてコストを抑えられるでしょう。
ランニングコストの目安
経済産業省の資料によると、年間の太陽光パネルにかかる維持費は3,490円/kWが相場です。
5kWの設備の場合で3~4年に一度の定期点検が行われて、その都度3~4万円の費用が必要となります。
太陽光パネルを取り付ける際には、パワーコンディショナーと呼ばれる電力変換装置をセットで取り付けなければいけません。
パワーコンディショナーは20年くらいで劣化してくるため、交換が必要となります。
交換費用の相場は約20.9万円です。
他にも太陽光発電を取り付けたことによる火災保険の見直しや新たに加入する場合は、費用がプラスされることになるでしょう。
太陽光発電を設置する際の費用を抑える方法
太陽光発電の設置費用を抑えるには以下の4つの方法があります。
・価格の安いメーカー品を選ぶ
・補助金制度を利用する
・ローンを組む
・複数の業者に見積依頼をする
以下でくわしく解説していきましょう。
価格の安いメーカー品を採用する
太陽光発電の本体価格は、メーカーや商品によって大きくかわるため、安価なメーカー品を選べばコストを下げられます。
国内製品でも価格帯を低く設定しているメーカーも多くあります。
また、海外製品は国内製品に比べて価格が安い傾向にあるため、初期費用を抑えるためには、利用するのも手です。
ただし、検査体制が日本と異なったり、船便で輸送されたりするため、品質が左右されやすいので注意が必要です。
価格の低いメーカー品を選ぶ際は、念入りにリサーチと比較を行いましょう。
補助金制度を利用する
太陽光発電は自治体から補助金が出ている場合が多いため、利用するのがおすすめです。
以下で東京都内で実施されている補助金制度を紹介します。
東京都千代田区では「令和3年度千代田区省エネルギー改修等助成制度」を設けています。
住宅やマンション、ビルなどの建物に省エネルギー改修工事を行った際に、一部を助成するという制度です。
太陽光発電システムが含まれており、対象経費の20%を補助しています。
上限額は住宅の場合75万円、マンションは総戸数によって最大で450万円、ビルは150万円です。
対象は区内の既存建物となり、新規の太陽光発電の設置や工事前の申請などが条件として挙げられています。
補助金制度を利用することで、初期費用の負担を軽くできるので、ぜひお住まいの自治体に確認してみましょう。
ローンを組む
初期費用を抑えたい方におすすめなのが、ローンを組むという方法です。
太陽光発電のためのローンを組める銀行が存在しており、無担保で借りられる場合もあるため、利用しやすくなっています。
ただし、ローンを組むことで金利の分だけ費用は増えてしまいます。
今すぐ用意できる資金が不足している場合には検討するとよいでしょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
太陽光発電を設置する際は、複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
適切な工事をする業者を選ぶことで無駄に費用をかけなくて済みます。
ただし、安すぎると技術不足や施工ミスなどの問題が起きやすいため、適正費用が必要です。
基本的には工事費が安い順は「地元の施工会社」「ハウスメーカー」「大手ゼネコン」となります。地元の施工会社が最も安い傾向にあります。
業者を比較する際は、見積もりやシミュレーションが正確であるか、保証とメンテナンスが充実しているかもチェックしましょう。
なにより施工実績が多ければ、施工の品質が保たれるため、トラブルが起きるリスクを最小限に抑えられます。
太陽光発電は安い買い物ではないので、後悔しないためにも業者の選定は厳しく行いましょう。
そもそも太陽光発電の費用対効果は?
太陽光発電の費用対効果は、売電収入と電気代削減のメリットが、全費用を上回るかが大事なポイントになります。
太陽光で作られた電力の売電価格は、年々下がり続けているのが現状です。
2012年度では、1kWあたり40円だった価格が、2021年度では11~12円に落ちています。
2012年度と比べるとおよそ4分の1になるため、収入も低くなってしまうのです。
しかし、初期費用も下がっているほか、10年は固定金額であるため、10年以内に採算は十分とれるように制度が作られています。
固定買取価格が終了する10年後には、売電価格が下落するため、蓄電池を活用して自家発電で使用することも検討してみましょう。
家庭用の太陽光発電を設置する際の手順
太陽光発電を設置して運営するまでの手順は以下になります。
①発電システムの設置を検討する
②見積もり依頼と業者を選定する
③補助金の申請をする
④事業計画認定を申請する
⑤太陽光発電システムを設置する
⑥運用開始する
それぞれを工程別にくわしく紹介していきます。
①発電システムの設置を検討する
太陽光発電を設置する際には、具体的にシミュレーションをすることが大切です。
住宅の屋根に設置する際の規模や収支の計画、どのくらいの発電量を得られるのか、災害時に使うかどうかなどを検討しましょう。
発電システムの設置は高額な費用がかかるため、シミュレーションには正確性が欠かせません。
わからないことや不安を感じる場合は、業者に相談することをおすすめします。
相談する際は、屋根の形状や素材などの情報を準備しておくと、より話しやすくなるでしょう。
②業者を選定・契約する
相見積もりを取って費用や工事内容を比較しましょう。
業者によっては費用だけでなく、保証やアフターフォローの内容も異なります。
また、どのくらいの発電量が見込めるかといったシミュレーションをしてくれる会社もあるので、利用するとよいでしょう。
念入りに業者を選定して、1社に絞り込めたら契約を結びます。
③補助金を申請する
太陽光発電では補助金を利用できる場合が多いため、申請するようにしましょう。
補助金のくわしい内容はお住まいの市区町村によって異なります。
また、必要となる書類や申請手順は事前に確認しておくことが大切です。
④事業計画認定を申請する
電力会社と契約することを前提として「固定価格買取制度(FIT制度)」の適用申請を行いましょう。
申請は経済産業省に行う必要があり、申請書類の詳細についてはホームページで確認できます。
申請には、建物所有者の同意書類や構造図、配線図などを含めてさまざまな書類が必要となるため、早めの準備を心がけましょう。
⑤太陽光発電システムの設置工事を行う
太陽光発電システムの設置工事に着手していきます。
設置工事には、足場の設置、架台や太陽光パネル、パワーコンディショナーなどの関連機器の取り付けが行われます。
取り付けが完了したら、設置した機器を起動させるために電気工事が必要です。
梅雨や冬の季節だと、作業がスムーズに進まない場合もあるため、工期が長引くこともあるでしょう。
⑥運用開始
設置工事が完了したら、試運転を実施して運用を開始します。
運用開始までには電力会社との契約を結び、電力供給が可能になるように設備との接続工事を済ませましょう。
すべての工事が終了して、太陽光発電の正常起動が確認できたところで、運用開始となります。
太陽光発電の設置費用は安くできる!まずは補助金を確認しよう
太陽光発電の設置にかかる費用は、本体価格や設置工事、メンテナンスコストから見ても安くはありません。
できる限り費用対効果を上げるためには、初期費用をどれだけ抑えられるかが重要なポイントとなります。
現在は、地球温暖化防止対策の一環として、助成制度を設けている地方自治体は多いです。
太陽光発電の設置費用を安くするためにも、まずは補助金の活用を検討してみましょう。
更新日:
更新日: