「家庭用蓄電池の価格相場を知りたい」「家庭用蓄電池にかかる費用を抑える方法とは?」家庭用蓄電池を設置するにはどのくらいの費用がかかるのかと、このような疑問を持つ方も多いでしょう。近年では、自然災害の停電時に備えて家庭用蓄電池を検討している方が増えてきています。この記事では、家庭用蓄電池を購入する際の気になる価格相場についてわかりやすく説明していきます。
家庭用蓄電池の価格相場
家庭用蓄電池は、総額(本体価格+設置費用)でおよそ75~250万円が価格相場です。
ただし、実際には、蓄電池の容量や設置する業者によって大きく価格が異なります。
家庭用蓄電池を充電するためには、電力会社から電気を購入するか太陽光発電システムによる電力が必要です。
電力会社から購入する場合は、組んでいるプランによってランニングコストが変わります。
また、太陽光発電システムの場合は、自家消費となるため、電気代自体はかかりません。
ただし、太陽光発電の導入は高額なので、どちらの方法がよいのか時間をかけて検討しましょう。
下記で蓄電池本体と設置費用に、それぞれどのくらいの費用がかかるのかを説明していきます。
本体価格
本体価格にかかる費用は50~200万円が目安です。
蓄電池は容量や機能によって費用に大きく差がでるため、幅広い価格帯となっています。
一般的に、容量が多ければ高額となり、少なければ価格が低くなります。
また、本体と工事をセットで購入すると安くなるケースもあるので、利用するのがおすすめです。
購入以外にもリースやレンタルができるタイプもあるので、本体価格を落としたい場合は検討してみてもよいでしょう。
家庭用蓄電池の購入・設置価格に影響を与える要素
家庭用蓄電池の購入や設置価格には以下の3つが影響してきます。
・容量
・機能
・設置業者
それぞれのポイントを把握して、家庭用蓄電池導入の費用を抑えましょう。
容量
容量は大きいほど金額も上がるのが一般的です。
ただし、容量が大きくなるほど1kWhあたりの価格は安くなります。
2019年のリチウムイオン蓄電池1kWhあたりの本体価格は、約114,325円となっています。
また、大きい容量であれば家電も長時間使用できるため、より経済的です。
目的に合わせた容量と価格とのバランスをよく考えて選ぶことが重要になってきます。
機能
蓄電池のスペックの高さによっても価格に大きな差が出ます。
主に家庭用蓄電池は、ポータブル型と単機能型とハイブリッド型の3種類に分けられます。
ポータブル型とは自分でコンセントにつないで使用するタイプであり、太陽光発電に非対応で、低価格です。
単機能型は、太陽光発電を設置しなくても使用できる機種をいいます。
ただし、太陽光発電にも対応できるため、ポータブル型よりも価格は高いです。
ハイブリッド型は、太陽光発電と同じパワーコンディショナー(電力変換装置)を使用している蓄電池となります。
パワーコンディショナーを通じて太陽光エネルギーが蓄電池に直接ためられるため、単機能型よりも変換効率や価格も高くなります。
目的に合わせて蓄電池を選ぶようにしましょう。
設置業者
家庭用蓄電池の設置にかかる費用は、業者によって価格が変動します。
業者を選ぶ際は、3社くらいに見積もり依頼をして比較することがおすすめです。
実績が多くて対応がしっかりしている業者は、多くの人に信頼されて依頼を受けているため、優良業者の可能性が高くなります。
実績が少ないと、設置後に雨漏りや配線トラブルなどが起きてしまう場合があります。
また、安すぎる業者も同様に技術が未熟で失敗する恐れがあるので注意しましょう。
家庭用蓄電池の設置・ランニングコストを抑える対策
家庭用蓄電池を導入する際は、設置費用だけでなく、ランニングコストの対策も事前に検討しておくことが大切です。
対策方法には以下の4つがあります。
・補助金を活用する
・正しい使い方をする
・電力会社を切り替える
・ローンで初期費用を抑える
それぞれ自分に合っている対策を利用して、家庭用蓄電池の費用にかかる負担を減らしましょう。
補助金を活用する
家庭用蓄電池の設置には、国や自治体が実施している補助金制度を利用することがおすすめです。
以下は実際に東京都が行っている補助金となるので、参考にしてみましょう。
東京都の「自家消費プラン(蓄電池導入への補助事業)」では、太陽光発電と蓄電池を設置した住宅に費用の一部を補助しています。
申請受付期間は、令和3年4月1日~令和4年3月31日です。
補助対象は1kWあたり17万円以下の機器で、補助単価が1kwhあたり7万円、上限額は42万円となります。
条件は、太陽光発電システムの設置や都内の住宅で新規に家庭用蓄電池を取り付けることなどが挙げられます。
お住まいの自治体でも補助金制度があるかどうか確認してみましょう。
正しい使い方をする
蓄電池には寿命(充放電回数)があるため、長持ちさせるためにも、使い方に注意しましょう。
特に、過度な充放電や高温での利用を避けて、蓄電池にかかる負担を最小限に抑えることが大切です。
蓄電池は電池なので、使い方を誤ると劣化が早くなってしまうのです。
できる限り長く使うためには、説明書で明示されている正しい使い方をするようにしましょう。
電力会社を切り替える
電力会社によって電気代が大きく異なるため、蓄電池を導入するタイミングで切り替えを検討してみましょう。
複数の電力会社を比較して電気代をおさえることでランニングコストを安くできます。
中には夜に安いプランもあるので、利用するのがおすすめです。
電気代が安い夜に蓄電して、料金が高い昼の時間に使用すれば、蓄電池の機能を十分発揮できるでしょう。
ローンを組んで短期的に支払うお金を減らす
家庭用蓄電池を設置する費用は高額なため、一度で支払うことに負担を感じてしまう方も多いです。
ローンを組めば、総額は増えるものの、初期費用を抑えられるので蓄電池を購入しやすくなります。
補助金を活用しても資金が足りない場合には検討するのがおすすめです。
住宅を購入する際に蓄電池の導入も決まっている場合は、住宅ローンに組み込むことが可能なので、担当者に相談してみましょう。
価格面から見た家庭用蓄電池の選び方
家庭用蓄電池を選ぶ際は、自分の目的に合った容量や機能などを重視することが大切です。
以下で、価格面から見た家庭用蓄電池の選び方を紹介していくので、チェックしてみましょう。
容量はどのくらいあればコスパがいい?
太陽光発電を利用する場合は、蓄電池を発電システムの容量に合わせるという方法があります。
蓄電池のない家庭では、太陽光パネルで発電したエネルギーから自家消費する分をのぞいて、残りを電力会社に売電しています。
家庭用蓄電池があれば、売電せずに残りのエネルギーがためられることになるのです。
残りのエネルギーがどのくらいになるのかを計算したら、蓄電池の容量もおのずと出てきます。
また、発電と組み合わせて使用しない場合は、自宅で利用する電気使用量に合わせて購入するとよいでしょう。
災害対策としてなら非常用として大きめの容量の蓄電池を検討するのがおすすめです。
機能はどのくらいあればコスパがいい?
家庭用蓄電池には、希望する機能だけを取り付けるのが望ましいです。
太陽光発電を利用するのか、災害用にも役立てるのかでは必要となる機能が異なってきます。
太陽光発電をしないのであれば、安価なポータブル型を検討できます。
また、災害時の非常用電源として使いたい場合は、10kWh以上の容量で購入することがおすすめです。
停電時にどの家電を使いたいかシミュレーションをしておけば、少ない容量で抑えることも可能となります。
購入する際は、充放電回数や保障についてもこまかくチェックしておくようにしましょう。
家庭用蓄電池は購入や設置だけではなくランニングコストも考えよう
家庭用蓄電池を導入することで、自然災害による停電時の不便を取り除き、太陽光と組み合わせれば自家消費も可能になります。
しかし、家庭用蓄電池の設置費用は高額で、元をとるのが難しいのが現状です。
できる限り費用を抑えるためにも、設置をするタイミングで電力会社の切り替えを検討してみましょう。
ランニングコストに特に影響を与えているのは、電力会社に支払う電気代です。
長期的にみて無駄にお金をかけないためにも、設置価格だけではなく、ランニングコストもしっかり考えましょう。
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