太陽光発電の設置を考えており、「補助金はもらえるのだろうか?」と疑問に思っている人もいるでしょう。結論からいうと、国による太陽光発電の補助金制度はすでに終了しています。 しかし、自治体が独自に実施している制度を利用すれば、太陽光発電の補助金をもらえる可能性があります。太陽光発電の設置を考えている人は、補助金を受け取るためにもぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電の補助金はどこからもらえる?
国による太陽光発電の補助金制度は、すでに終了しています。
そのため、補助金を受け取れる可能性があるのは、各地方自治体が実施する補助金制度です。
まず、国や地方自治体による太陽光発電の補助金制度を見ていきましょう。
国からの太陽光発電補助は2014年に終了
国から太陽光発電の補助金をもらえたのは、2014年までとなります。
国は太陽光発電の普及を目的として、補助金制度を採用していました。
現在は太陽光発電の導入が増え、十分普及したと判断されたため、補助金制度が終了しました。
太陽光発電の補助金制度は終了しましたが、省エネ住宅を対象とした別の補助金制度があります。
省エネ住宅が対象の制度であれば、太陽光発電の設置に伴う補助金が受けられる可能性があるでしょう。
こちらの制度は「ZEH支援事業」というため、詳しくは後述します。
地方自治体からの補助金はもらえる
各地方自治体では、太陽光発電の補助金制度を独自に実施しています。
補助金の申請期間や補助金額などは、それぞれ自治体によって異なります。
国からの太陽光発電の補助金がない現在、地方自治体が独自に実施する補助金制度を利用するのがおすすめです。
なお、すべての自治体が太陽光発電の補助金制度を採用しているわけではありません。
補助金の有無や詳しい概要については、お住まいの自治体に問い合わせるか、各自治体の公式サイトから確認しましょう。
いくらもらえる?地方自治体の太陽光発電の補助金
太陽光発電の補助金の概要は、各自治体により異なります。
ここでは例として、3つの自治体の補助金額と申請期間をご紹介します。
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補助金額 |
申請期間(2021年度) |
東京都品川区 |
3万円/kW(1件あたりの上限9万円)
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2021年4月1日(木)~2022年3月18日(金) |
大阪府豊中市 |
1万5千円/kW(1件あたりの上限6万円)
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2021年5月17日(月)~2022年2月28日(月) |
福岡県糸島市 |
一律10万円 |
2021年4月1日(木)~予算額に達するまで |
※家庭用の太陽光発電における補助金です
補助金の申請時には、本人確認書類や機器の設置を確認できる書類などを求められるのが一般的です。
また、地方自治体だけでなく、民間団体が太陽光発電の補助金を実施している場合があります。
続いては、民間団体の補助金について見ていきましょう。
民間団体の補助金も要チェック
「一般社団法人 環境共創イニシアチブ(通称SII)」では、太陽光発電の補助金の実績があります。
補助金の正式名称は、「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」です。
2021年は補助金を公募するかまだ未定です。
しかし直近では、2019年と2020年に補助金を支給しています。
2019年は6月に一次公募・10月に二次公募があり、2020年は7月に公募がありました。
そのため、もし2021年も公募が行われるなら、同様の時期になると考えられます。
補助金の情報はいつ公表されるか分からないため、SIIの公式サイトを随時チェックしておきましょう。
省エネ性能の高い住宅なら国から補助金がもらえる可能性あり
国の太陽光発電の補助金は終了しましたが、省エネ性能の高い住宅では別の補助金をもらえる可能性があります。
省エネ住宅に関する補助金を「ZEH支援事業」といいます。
ZEH支援事業は、国土交通省・経済産業省・環境省が協力して進めている支援事業です。
ZEHとは何か、支援事業の要件や補助金額などを解説します。
>> 住宅用太陽光発電の費用相場
補助金の対象となる「ZEH」とは
ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称であり、「ゼッチ」と読みます。
ZEHは快適な室内環境を保ちながら、同時に一次エネルギー消費量の年間収支ゼロを目指す住宅を指しています。
一次エネルギーとは、ガスや石炭、石油エネルギーをことです。
また、住宅で発生する電気やガスといったエネルギーも含まれます。
ZEH住宅では、高断熱・高気密のような高い省エネ性能に加えて、一次エネルギーの代わりとなる太陽光発電や家庭用蓄電池を用いているのが特徴です。
快適な室内環境を保つには、夏は涼しく、冬が暖かい環境が理想です。
そのためには、断熱性・気密性に優れた構造の住宅でなければなりません。
また、ZEHでは電気・ガスなどの一次エネルギーだけでなく、自然エネルギーも利用します。
太陽光発電を用いて自然エネルギーを生みだし、住宅が消費するエネルギー量と相殺する仕組みです。
要するに、消費するのと同じくらいの自然エネルギーを生みだすため、エコな住宅であるということです。
ZEH支援事業の要件
ZEH支援事業に申請できるのは、以下のいずれかの人になります。
・新築物件を建てる人
・新築建売住宅を購入する人
・住宅をリフォームする人
対象となる物件には、所有者が自ら居住していなければなりません。
また、ZEHの建築やリフォームは、登録された工務店や施工業者に依頼する必要があります。
登録された業者は、ZEHビルダーやZEHプランナーと呼ばれています。
補助金を受けるには必須条件となるため、工事を依頼する前に登録済みの業者か問い合わせてみましょう。
ZEH支援事業の補助金額
ZEH支援事業には「ZEH」「ZEH+」「ZEH+R」の3種類の補助金があります。
それぞれの補助金額は以下の通りです。
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補助金額 |
ZEH |
60万円/戸 |
ZEH+ |
105万円/戸 |
ZEH+R |
115万円/戸 |
補助金額が高くなるほど、住宅の省エネ性能に細かい要件が求められます。
さらに、蓄電システムや地中熱ヒートポンプシステムなどの導入支援として、「先進的再エネ熱等導入支援事業」もチェックしておきましょう。
「先進的再エネ熱等導入支援事業」では、各補助金にプラスして最大90万円をもらえる場合があります。
なお、補助金を受け取るのは居住者ではなく、施工業者や工務店などの民間事業者です。
受け取った補助金は工事費にあてるため、結果的に居住者の費用負担が軽くなります
補助金がなくても太陽光発電を設置すべき?
もし太陽光発電の補助金を得られなくても、太陽光発電システムの設置は検討してみるといいでしょう。
なぜなら、太陽光発電を設置するメリットは補助金だけではないからです。
太陽光発電を設置すれば、電気代の削減効果を期待でき、災害時に自家発電できる安心感があります。
パワーコンディショナーによって異なりますが、太陽光発電システムの非常用コンセントが利用できる約0.16kWは、テレビやラジオ、扇風機、携帯電話の充電など複数の電気機器の同時使用ができます。
また、自家消費しきれなかった電力は売電できます。
売電単価は年々下落しているものの、自然エネルギーを生みだすことでエコに貢献できるでしょう。
太陽光発電の補助金は地方自治体や民間を利用しよう
今回は、太陽光発電の補助金についてお伝えしました。
国から太陽光発電の補助金はなく、地方自治体が独自に補助金制度を採用しています。
各自治体により補助金額や申請方法などが異なるため、住んでいる地域の自治体公式サイトで詳細を確認しましょう。
また、民間団体のSIIでは、家庭用蓄電システム導入による補助金の実績があります。
2021年の補助金については2021年5月時点では未公表のため、公式サイトを随時チェックするのがおすすめです。
さらに、省エネ住宅(ZEH)なら、国から補助金を受けられる可能性があります。
太陽光発電だけでなく、省エネ性能の高い住宅を建てたりリフォームしたりする場合は、ZEHの補助金を申請してみましょう。
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