「エコキュートの電気代は高いの?」「エコキュートに乗り換えると今より安くなるのかな?」こういった疑問を持っている方は多いでしょう。エコキュートは、省エネ技術のヒートポンプを活用した電気給湯機です。エコキュートは省エネという点が需要なポイントになっている機器なので、安いイメージがありますが実際にはどうなのでしょうか。この記事を読めば、エコキュートを導入する際、料金比較などの参考になるでしょう。
エコキュートの電気代は高いのか?
夜間の電気代が安い時間に稼働するので、一般的には電気代は安くなると考えてよいでしょう。
エコキュートは夜間にお湯を沸かし、タンクに貯めて必要な時にそこから使用するというシステムです。
ただし使用状況や契約内容によっては必ず安くなるわけではありません。
以下でエコキュートの仕組みや電気料金についても詳しく解説します。
エコキュートの仕組みと節電の理由
エコキュートにはヒートポンプユニットというエコキュート独自の機器が使われていて、外気を取り入れてその熱気でお湯を沸かす仕組みがあります。
沸かす際には電気を使用しますが、熱気の力を利用することで従来よりも少ない電力でお湯を沸かすことができます。
また、お湯は貯湯タンクに溜めて保温しておけるため、再び沸かす際も冷たい状態からの沸き上げにはなりません。
夜間の時間帯に蓄熱のために使用される機器のことを夜間蓄熱式機器と呼び、エコキュートの他に電気温水器、蓄熱暖房機、蓄熱床暖房などがあります。
これらは、電力の消費が少ない夜間に電力を使うようにコントロールできる機器でもあります。
エコキュートをお得に導入できるライフスタイルとは
生活の時間帯によって、エコキュートで節約しやすい場合とそうでない場合があります。
エコキュートの導入に適していると言えるライフスタイルは、日中の在宅時間が少なく、日中にお湯を大量に使うことがあまりない場合です。
また、地域により電力会社の料金プランは大きく変わりますが、夜間が安い料金プランを選択するのがエコキュートの利用には最適です。
お住まいの地域の電力会社の料金プランも確認してから導入できると安心です。
通年、日中に多くのお湯を使う場合や、夜間のお得なプランが適用できない場合には、割高になってしまう可能性もあります。
エコキュートを導入した場合の料金比較
いくつかの地域を例に、エコキュートを導入した場合の電気代の差額を紹介します。
実際にこのサイトで試算した結果です。
地域別「都市ガス」からエコキュートへ乗り換えた場合の差額目安
都市ガスからエコキュートへ乗り換えた場合に生まれる差額は以下が目安となります。
電力会社 |
都市ガス |
エコキュート |
差額 |
東京電力 |
76,282円 |
32,648円 |
43,634円 |
北海道電力 |
114,603円 |
43,391円 |
71,212円 |
関西電力 |
82,228円 |
24,833円 |
57,395円 |
九州電力 |
108,140円 |
25,425円 |
82,715円 |
地域別「LPガス」からエコキュートへ乗り換えた場合の差額目安
LPガスからエコキュートへ乗り換えた場合に生まれる差額は以下が目安となります。
電力会社 |
LPガス |
エコキュート |
差額 |
東京電力 |
136,813円 |
32,648円 |
104,165円 |
北海道電力 |
223,307円 |
43,391円 |
179,916円 |
関西電力 |
128,874円 |
24,833円 |
104,041円 |
九州電力 |
129,663円 |
25,425円 |
104,238円 |
*すべて4人家族で設定してシミュレーションしています。
*あくまで概算なので実際の数値と異なる可能性があります。
比較してみると、ガスからエコキュートに乗り換えるとかなり節約になるケースもありそうです。
上記以外の地域もシミュレーターで比較できるので公式サイトで確認してみてください。
寒いと電気代は高い?地域による価格の違い
料金を比較していくと地域ごとの差が必ず出てきますが、これはどういった理由でしょうか。
2つの理由を以下で解説します。
給湯には多くのエネルギーが必要
家庭内にはさまざまな電化製品がありますが、そのなかでも給湯に消費される電力は全体の3割にも及びます。
すなわち、給湯にかかる電力を減らせば必然的に電気代も安くなると言えます。
外気の温度を利用するエコキュートにおいては、空気が冷たい時には通常よりも多くのエネルギーが必要であり、寒冷地や冬季はエコキュートの場合でもより多くの電力が必要です。
エコキュートは地域に合った機種が開発されている
外気の熱でお湯を沸かす特性のエコキュートは、寒冷地では効率が低下します。
また外に設置されている給湯器は冬場に凍結してしまうなどの危険があります。
そこで、各メーカーでは寒冷地用の機種を開発しています。
例として、ダイキンではマイナス25℃の寒さでも85℃のお湯をつくる寒冷地仕様の機種を発売しています。
エコキュートの電気代を抑えるコツ
地域に関わらず、普段からエコキュートの使い方を少し意識するだけでも電気代を抑えられます。
電気代を抑える方法を以下で4つ解説します。
節約モードを確認する
各機種には、節約モードが搭載されている場合が多いので忘れずに確認しましょう。
エコキュートは基本的に夜間に自動的にお湯を作る仕様になっているので、使っても使わなくても沸かしてしまう、といったケースがあります。
毎日の使用湯量を学習させることで、過剰にお湯を沸かしすぎないように設定できる場合があります。
沸かす量が減れば使用電力も減ります。
お風呂を沸かす際の設定を確認する
ほとんどの場合は自動で浴槽にお湯を張る機能がついていますが、湯量がどのくらい必要なのかを定期的に見直し、使う分だけの適量を溜めるようにしましょう。
また、自動の追い炊き機能がオンだと常に保温のために電力を使っていることがあるので注意してください。
休止モードも忘れずに設定する
旅行などで家をあける場合は休止モードにしておきます。
設定しておかないと、毎日自動で沸かしてしまうので忘れずに確認するようにしましょう。
各メーカーにより休止できる期間は異なります。
一例として、パナソニックのエコキュートの場合は不在が15日以内の場合は休止モードが設定でき、帰宅日に合わせて湧き上げをしておく便利な機能もあります。
電力会社の割引を利用する
各地域の電力会社はそれぞれ独自の割引サービスや料金プランを用意しています。
一例としてエコキュートにおすすめのプランを提案している何社かをご紹介します。
電力会社 |
プラン名 |
夜間の1kWh価格 |
詳細 |
東京電力 |
スマートライフS スマートライフL |
17.78円 |
・午前1時~6時までが割安 ・その他の時間は25.80円 |
中部電力ミライズ |
スマートライフプラン |
16.30円 |
・22時~翌8時までが割安 ・その他の時間は28.52〜38.71円 |
中国電力 |
ぐっとずっと。プラン( 電化Styleコース) |
14.87円 |
・平日21時~翌9時と土日祝が割安 ・その他の時間は30.62~32.68円 ※季節により異なる
|
エコキュートを利用するなら節約設定や割引で電気代をお得にしよう
エコキュートは機器自体が省エネ仕様なので、導入すれば電気代が安くなる可能性は高いと言えます。
さらに節約設定の機能を使ったり、電力会社の割引プランを上手に適用したりするとお得に利用することができるでしょう。
電力使用のピークタイムではなく、夜間に電力を消費することは料金面だけでなく環境にも優しい設備です。
環境問題が深刻化する現代では、今後ますますの普及が進む可能性もあるでしょう。
>> エコキュートの導入価格を解説
更新日: