オール電化
昨今の大規模停電などを受け、エコキュートが注目されています。停電時でもお湯が使えたり、断水時でも湯水を取り出せたりできるからです。一方、エコキュートはさまざまなメーカーから販売されているが違いが分からない、という声も聞かれます。そこで、本記事ではパナソニックのエコキュートについて詳しく解説します。
パナソニックはエコキュート業界をリードするメーカーの一つです。
パナソニックのエコキュートは「省エネ」や「防災」など時代のニーズに合わせた機能を備えています。
省エネに関しては、2020年度省エネ大賞を受賞するなど業界内でも高い評価を得ています。
防災に関しては、2021年に業界初のレジリエンス機能を搭載したエコキュートを発売しました。
そんなパナソニックのエコキュートには、5つの特徴があります。
それぞれの特徴について詳しく紹介していきます。
パナソニックのエコキュートはヒートポンプユニットや貯湯ユニットの保温性を強化することで、年間給湯保温効率を高めています。
年間給湯保温効率とは、日本の国家標準の一つであるJIS(日本産業規格)に基づく値であり、以下の式で求められます。
年間給湯保温効率 = 1年間で使用する給湯とふろ保温に係る熱量 ÷ 1年間で必要な消費電力量
つまり、年間給湯保温効率の値が高いほど、省エネ性能が高いと言えます。
パナソニックのエコキュートは年間給湯保温効率4.0を達成。これは業界トップレベルの値です。
また、パナソニックのエコキュートは3つの機能によって高い省エネ性を実現しています。
各機能について解説していきます。
AIエコナビはセンサーとAIの学習機能を活用し、ふろ保温に要するエネルギーを抑える機能です。
センサーで浴室の人の出入りを察知し、入浴していない時間の保温エネルギーをカット。
またAIがお湯の冷め方を学習し、繰り返し湯温チェックを行う分のエネルギーもカットします。
以上の機能によって、ふろ保温に対する最大約35%の省エネ効果が認められているのです。
リズムeシャワープラスはシャワーの流量と温度を一定リズムで変動させることで、エネルギーおよび水の消費を抑える機能です。
シャワーの流量を変動させることで、最大約10%の節水効果および省エネ効果を実現。
加えて、シャワーの温度を変動させることで、最大約10%の省エネ効果を実現しています。
つまり、リズムeシャワープラスを活用すれば、従来のシャワーと比べて約20%の省エネ効果と約10%の節水効果が期待できるのです。
ぬくもりチャージはおふろの残り湯の熱を、夜間の沸き上げのために活用する機能です。
同機能を利用することで、翌日分のお湯はりのエネルギーを最大約10%節約できるのです。
パナソニックのエコキュートはバスタイムを快適にするために4つの機能を備えています。
温浴セレクトは、3つの温浴モードから自分に合った湯温および入浴時間が選べる機能です。
温浴モードは「あつめ」「ふつう」「ぬるめ」に分かれており、それぞれ最適な湯音と入浴タイマーが設定されています。
なお、湯音と入浴タイマーの設定は微調整が可能です。
パワフル高圧給湯は、「シャワーの勢いが物足りない」「キッチンとの同時使用でシャワーが弱まる」といったお悩みを解決する機能です。
シャワー湯量をアップさせるため、高耐圧貯湯タンクを搭載。2階や3階の浴室でも勢いのあるシャワーを実現します。
床暖房は、温水式のクリーンな暖房機能です。
エアコンのような温風を対流させる暖房と違い、空気の乾燥やホコリも気になりません。
i・ミストは、マイナスイオンを含んだホームサウナを体験できる機能です。
目に見えないクリアミストが高湿度の浴室環境をつくり、お肌や髪にうるおいを与えてくれます。
パナソニックのエコキュートには3つの便利な機能があります。
スピーディーなお湯はりは、パワフル高圧フルオートの場合、約12分で完了します。
ただし、2階、3階の場合は、2~3分ほど長くかかります。
お湯切れ防止は、AIが使用湯量とパターンを学習することで実現します。
主に夜間に炊きあげ、昼間にAIが炊き増し量を調節する仕組みです。
コミュニケーションリモコンは、台所と浴室の2か所に設置されます。
2つのリモコンは無線LANでつながっているため、リモコンを介して会話ができるのです。
そのため、子供や高齢者が入浴していても安心です。
パナソニックのエコキュートは専用アプリ「スマホでおふろ」で操作することができます(一部の機種は非対応)。
外出中でもスマホでお湯はりが可能なので、帰宅後すぐに入浴できます。
また、スマホでエコキュートの多彩な機能を一括管理できるのも嬉しいポイント。
パナソニックのエコキュートは太陽光発電を有効活用するため、ソーラーチャージ機能を搭載しています。
ソーラーチャージ機能とは、太陽光発電の余剰電力を利用してお湯を沸かす機能です。したがって、ソーラーチャージ機能を利用すると、沸き上げ時間が夜間と昼間に分散されます。
なお、専用アプリ「スマホでおふろ」を活用すれば、自動で天気予報をチェックし、夜間と昼間の炊きあげ量を調節してくれます。
パナソニックのエコキュートは3つのクラスに分かれています。
プレミアムクラスは業界トップレベルの性能と多彩な機能を搭載したシリーズ群です。
ミドルクラスは豊富な選択肢でさまざまな住環境に対応できるシリーズ群です。
スタンダードクラスは機能を絞り、実用性がありながらコストを抑えたシリーズ群です。
それでは、各クラスの代表的なシリーズを紹介したいと思います。
【プレミアムクラスの代表的なシリーズ】
シリーズ | JPシリーズ(パワフル高圧フルオート) |
---|---|
タンク容量 | 370L |
設置場所 | 屋外 |
外形寸法 | 【貯湯ユニット】 1810×600×680(mm) 【ヒートポンプユニット】 672×799×299(mm) |
年間給湯保温効率 | 4.0 |
セット希望小売価格 | 1,025,200円(工事費別) |
【ミドルクラスの代表的なシリーズ】
シリーズ | Jシリーズ(フルオート) |
---|---|
タンク容量 | 370L |
設置場所 | 屋外 |
外形寸法 | 【貯湯ユニット】 1810×600×680(mm) 【ヒートポンプユニット】 672×799×299(mm) |
年間給湯保温効率 | 3.5 |
セット希望小売価格 | 819,500円(工事費別) |
【スタンダードクラスの代表的なシリーズ】
シリーズ | NSシリーズ(フルオート) |
---|---|
タンク容量 | 370L |
設置場所 | 屋外 |
外形寸法 | 【貯湯ユニット】 1810×600×680(mm) 【ヒートポンプユニット】 672×799×299(mm) |
年間給湯保温効率 | 3.3 |
セット希望小売価格 | オープン価格 |
パナソニックのエコキュートを選ぶ際、注目すべきポイントは3つです。
給湯タイプは「パワフル高圧フルオート」「フルオート」「セミオート」「手動」の4種です。
3階に浴室がある家庭なら「パワフル高圧フルオート」を選ぶべきでしょう。
なお、「フルオート」と「セミオート」の違いについては、「フルオート」はお湯はり後の保温も自動で行いますが、「セミオート」はお湯はりまで。また「フルオート」のみ「追いだき」が可能です。
タンク容量は「560L」「460L」「370L」「300L」「195L」の5種です。
家族人数やライフスタイルに応じて選びましょう。
居住環境については、気候条件を考慮し、必要であれば「寒冷地向け」や「耐塩害仕様」の機種を選びましょう。
また設置スペースが狭い場合は「薄型モデル」も検討してみてください。
エコキュートを選ぶ際、気になるのは、やはり設置費用ですよね。
ちなみに、設置費用とはエコキュートの購入価格と工事費を合わせた金額のことです。
設置費用は販売施工会社によって大きく変わる場合があるため、予め相場を把握しておくとよいでしょう。
パナソニックのエコキュートの相場は、工事費込みで、概ねメーカー希望小売価格の45%です。
例として、先に紹介したミドルクラスの機種で考えてみましょう。
同機種の仕様を再度記載しておきます。
シリーズ | Jシリーズ(フルオート) |
---|---|
タンク容量 | 370L |
設置場所 | 屋外 |
外形寸法 | 【貯湯ユニット】 1810×600×680(mm) 【ヒートポンプユニット】 672×799×299(mm) |
年間給湯保温効率 | 3.5 |
セット希望小売価格 | 819,500円(工事費別) |
パナソニックのエコキュートの保証期間を以下にまとめました。
対象機器 | 保証期間 |
---|---|
本体、リモコン | 1年間 |
ヒートポンプ内の冷媒系統 | 3年間 |
貯湯ユニット内のタンク | 5年間 |
ただし、販売施工会社によって設置費用や保証内容は異なります。
また、販売施工会社によっては、エコキュートの本体代金を安くする代わりに、工事代金を割増したり、エコキュートを設置する前の基礎工事代金を設置費用に上乗せしたりするケースも聞かれます。
そのため、当初の設置費用が安くても、追加で費用を請求され、結果的に割高になってしまうケースも起こり得るのです。
エコキュートを設置する際は、費用面や保証面で後悔しないよう、販売施工会社を慎重に選んでくださいね。