蓄電池
「太陽光発電の売電価格が下がった」「災害時の電力不足に備えたい」こういった理由から蓄電池に興味を持つ方は多いでしょう。一方で、一体どのメーカーの蓄電池を選べばいいのか迷ってしまう方もいらっしゃるようです。そこで、本記事ではオムロンの蓄電池について詳しく解説します。蓄電池選びでお悩みの方はぜひ参考になさってください。
「オムロン」と聞くと、体重計や血圧計など、ヘルスケア製品をイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、オムロンは太陽光発電業界において、パワーコンディショナのパイオニアとしての顔も持っているのです。
オムロンは長年、自社のパワーコンディショナをシャープや長州産業といった大手太陽光発電メーカーに供給してきました。
また、オムロンはパワーコンディショナの技術力を武器に、蓄電池業界にも進出します。
そして、オムロンブランドの蓄電池を多様なラインアップで展開していきます。
「単機能」「ハイブリッド」「コンパクト」「大容量」「長寿命」など、さまざまな特徴が選べるのはオムロンの蓄電池の魅力の一つでしょう。
オムロンの蓄電池には4つのシリーズがあります。
それぞれのシリーズについて詳しく紹介していきます。
KP55Sシリーズは、ハイブリッドパワーコンディショナを用いた蓄電池、いわゆるハイブリッド型蓄電システムです。
ハイブリッドパワーコンディショナとは、蓄電システムと太陽光発電システムの電気変換を1台で処理できるパワーコンディショナです。
ハイブリッドパワーコンディショナの利点は、電気変換の回数を減らせるため、太陽光発電のロスを削減できる点です。
また、パワーコンディショナを蓄電池用と太陽光発電用に2台設置する必要がないため、省スペースで設置できるというメリットもあります。
ちなみに、パワーコンディショナの寿命は10~15年と言われています。
そのため、太陽光発電のパワーコンディショナが寿命を迎えるタイミングで、ハイブリッド型蓄電システムを導入されるご家庭も多いようです。
それでは、KP55Sシリーズのスペックを見てみましょう。
形式 | KP-S3-SET-1 |
---|---|
蓄電容量 | 6.5kWh |
パワコン定格出力 | 5.5kWh |
設置場所 | 【蓄電池ユニット】 屋内 【パワーコンディショナ】 屋外(壁掛け) |
外形寸法(横×高さ×奥行き) | 【蓄電池ユニット】 452×656×120(mm) 【パワーコンディショナ】 650×493×222(mm) |
メーカー希望小売価格 | 3,130,000円(税別) |
保証期間 | 10年 ※蓄電容量の60%以上 |
なお、パワコン定格出力とは、家庭に供給できる電力の最大値を指します。
当然、パワコン定格出力が高い方、すなわち多くの電力を供給できるパワーコンディショナの方が高価格です。
KPAC‐Aシリーズは、蓄電池専用のパワーコンディショナを用いた蓄電池、いわゆる単機能型蓄電システムです。
単機能型蓄電システムは太陽光発電システムに干渉しないため、既設の太陽光発電に後付けしやすいという利点があります。
また、蓄電システム単体で設置できるため、太陽光発電を導入していない住宅向きでもあります。
それでは、KPAC‐Aシリーズのスペックを見てみましょう。
なお、KPAC‐Aシリーズは蓄電容量を「6.5kWh」「9.8kWh」の2種から選べます。
よって、蓄電容量ごとにスペックを紹介します。
【6.5kWhタイプ】
形式 | KPAC-A-SET-1 |
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蓄電容量 | 6.5kWh |
パワコン定格出力 | 2.5kWh |
設置場所 | 【蓄電池ユニット】 屋内 【パワーコンディショナ】 屋外(壁掛け) |
外形寸法(横×高さ×奥行き) | 【蓄電池ユニット】 452×656×120(mm) 【パワーコンディショナ】 650×493×222(mm) |
メーカー希望小売価格 | 2,510,000円(税別) |
保証期間 | 10年 ※蓄電容量の60%以上 |
【9.8kWhタイプ】
形式 | KPAC-A-SET-3 |
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蓄電容量 | 9.8kWh |
パワコン定格出力 | 4.0kWh |
設置場所 | 【蓄電池ユニット】 屋外(壁掛け/自立) 【パワーコンディショナ】 屋外(壁掛け) |
外形寸法(横×高さ×奥行き) | 【蓄電池ユニット】 452×542×228(mm) 【パワーコンディショナ】 650×493×222(mm) |
メーカー希望小売価格 | 3,020,000円(税別) |
保証期間 | 10年 ※蓄電容量の60%以上 |
KPAC-Bシリーズは、先のKPAC‐Aシリーズ同様、単機能型蓄電システムです。
KPAC-Bシリーズの利点は、長寿命設計の蓄電池を用いている点です。
1日2サイクルの充放電を繰り返しても、長期間稼働できるよう設計されています。
KPAC-Bシリーズの蓄電容量は「4.2kWh」と小さめですが、2サイクル利用なら「8.4kWh」となるので、蓄電池として十分な容量と言えるでしょう。
また、KPAC-Bシリーズには、長寿命をサポートするために「手厚い保証」や「遠隔モニタリング機能」が与えらています。
遠隔モニタリング機能とは、蓄電池をクラウド接続して24時間監視する機能です。
それによって、異常や故障をいち早く察知し、迅速な対処が可能になるのです。
それでは、KPAC-Bシリーズのスペックを見てみましょう。
形式 | KPAC-B-SET-1 |
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蓄電容量 | 4.2kWh |
パワコン定格出力 | 2.5kWh |
設置場所 | 【蓄電池ユニット】 屋内 【パワーコンディショナ】 屋外(壁掛け) |
外形寸法(横×高さ×奥行き) | 【蓄電池ユニット】 530×455×215(mm) 【パワーコンディショナ】 650×493×222(mm) |
メーカー希望小売価格 | 2,870,000円(税別) |
保証期間 | 15年 ※蓄電容量の70%以上 |
なお、遠隔モニタリング機能を利用しない場合は、保証期間が10年になります。
KPBP-Aシリーズは「暮らしに合わせて組み合わせる新しい蓄電池」というコンセプトから生まれた、マルチ蓄電プラットフォームです。
KPBP-Aシリーズの特徴は、蓄電システムと蓄電容量を自由に組み合わせられる点です。
まず、蓄電システムは次の3種から選べます。
ちなみに「全負荷対応」とは、家庭内の全てのコンセントに電力供給できることを意味します。
続いて、蓄電容量は次の3種から選べます。
それでは、蓄電システムと蓄電容量の組み合わせと、その価格を何通りか紹介したいと思います。
蓄電システム | 蓄電容量 | 価格(税別) |
---|---|---|
単機能型 | 6.5kWh | 2,660,000円 |
全負荷対応ハイブリッド型 | 9.8kWh | 4,620,000円 |
ハイブリッド型 | 16.4kWh | 5,920,000円 |
最後に、ここまでの内容を踏まえた上で、オムロンの蓄電池のメリットとデメリットと考えてみましょう。
オムロンの蓄電池の魅力は、非常に幅広い選択肢が用意されている点です。
そのため、それぞれの家庭のライフスタイルによりフィットした蓄電池が見つかるでしょう。
またオムロンの蓄電池は、他社と比較しても、非常にスリムかつコンパクトです。
そのため、設置場所に困ったり、移動に苦労したりする心配がありません。
蓄電池の屋内設置をお考えの方にはぜひおすすめです。
オムロンの蓄電池は、他社と比較すると、保証面で劣っている場合があります。
例えば、標準の保証期間をオムロンは10年に設定していますが、他社は15年に設定している場合も少なくありません。
ただ、保証期間や保証内容は、各メーカーによって定められているものの、販売施工会社によって変化することもあります。
蓄電池を長く安心して使うために、保証に関しては購入・設置前にしっかり確認しておきましょう。