住宅用太陽光発電
太陽光発電を設置するにあたり「メーカーが決まらない」「相場が分からない」といったお悩みをお持ちのご家庭が多いようです。そこで、本記事では国内メーカーのサンテックパワーを取り上げ、太陽光発電の特徴や相場について解説したいと思います。
サンテックパワーは中国の無錫サンテックパワーを親会社とする太陽光発電メーカーですが、前身は日本のMSKという会社です。なお、現在の正式社名はサンテックパワージャパンです。
MSKは1967年に創業。長野県の工場で、住宅用太陽光発電システムの製造・販売を手掛けていました。
無錫サンテックパワーは2001年に創業し、2006年に日本のMSKを買収。そして、2009年に同社をサンテックパワージャパンに社名変更しました。
サンテックパワージャパンは長野県の工場を土台として長野テクニカルサポートセンターを設立。太陽光発電システムの品質管理を強化するため、さまざまな試験装置を導入していきます。
また、産業用太陽光発電システムにも着手していきます。これまでの実績としては、味の素スタジアムのガラス建材型モジュール「LightThru」などが挙げられます。
サンテックパワーの太陽光発電の特徴は3つあります。
それぞれの特徴について以下で詳しく紹介します。
サンテックパワーの前身であるMSKは、1981年に太陽光パネルを発売しました。つまり、サンテックは40年以上、太陽光パネルの開発に従事してきたのです。
そんなサンテックパワーが特に力を入れてきたのが、日本住宅の屋根にフィットする太陽光パネルの開発です。
太陽光パネルは「架台」という機材を用いて屋根に設置されます。
サンテックパワーは日本住宅のさまざまな形状の屋根に太陽光パネルを設置できるように「架台」の開発に注力。現在は6種の「架台」が使用されています。サンテックパワーは太陽光パネルを製造するにあたり、さまざまな試験を実施し、耐久性を確認しています。
例えば、「太陽光シミュレーター」「サーモグラフィ」「EL試験装置」によって発電力をチェックしたり、「恒温恒湿槽」「温度サイクル試験槽」「複合サイクル試験機」によって環境適応力をチェックしたりしています。
このような試験をクリアしてるサンテックパワーの太陽光パネルは、日本全国で長期にわたる発電が実証されているのです。
サンテックパワーの太陽光発電システムには以下の保証が用意されています。
モジュール出力保証とは、太陽光パネルの性能を保証する制度です。
保証期間は25年です。ただし、保証値は以下の2段階に分かれます。
設置年数 | 保証値 |
---|---|
12年以内 | 公称最大出力の90% |
25年以内 | 公称最大出力の80% |
製品瑕疵保証とは、太陽光パネルほかパワーコンディショナなどシステム機器に不具合や故障が発生したとき、修理・交換する制度です。
保証期間は15年です。ただし、一部の機器およびファーウェイ製の機器は10年に設定されています。
自然災害補償とは、台風や落雷、火災などが原因で発生した修理代金を補償する制度です。
保証期間は10年です。なお、地震・噴火・津波による損害は同補償対象に含まれません。
サンテックパワーは住宅用太陽光パネル「屋根置き型サンクリスタル」を販売しています。
「屋根置き型サンクリスタル」は、大サイズの単結晶セル「ラージセル」で構成されており、高出力が期待できます。
また「ハーフカットセル技術」や「PERCセル技術」が採用されているため、発電ロスを抑えられるでしょう。
そんな「屋根置き型サンクリスタル」には2種の型式があります。
それぞれの仕様を以下にまとめました。
型式 | 公称最大出力 | 変換効率 |
---|---|---|
STP335S-A60/Wfhm | 375W | 20.6% |
STP375S-B60/Wnhm | 335W | 19.9% |
サンテックパワーの住宅用太陽光パネル「屋根置き型サンクリスタル」の価格を以下にまとめました。
型式 | メーカー希望小売価格 |
---|---|
STP335S-A60/Wfhm | 276,375円(税込) |
STP375S-B60/Wnhm | 246,895円(税込) |
上記の太陽光パネルは発売から間もないため、相場はまだ公開されていないようです。
ちなみに、太陽光発電の相場を把握するためには、ご自身の相見積もりが基本と言えます。というのも、太陽光発電の設置費用はそれぞれの住宅環境によって差が出るためです。
最後に、サンテックパワーの太陽光発電のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
サンテックパワーは国内の技術拠点「長野テクニカルサポートセンター」にて、品質管理を徹底させています。
また、同施設ではアフターサービスや O&Mサポートにも対応しており、太陽光発電の長期稼働を後押ししています。
加えて、長期の出力保証および機器保証も大きなポイントです。万が一の事態に備えながら、長期にわたり安定した発電量が見込める点は、サンテックパワーの太陽光発電の大きな魅力と言えるでしょう。
実は、サンテックパワーの親会社である無錫サンテックパワーは2013年に破産しています。そのため、サンテックパワーの経営面を心配する声も聞かれます。
しかし、サンテックパワーは当初から日本での製品供給に影響はないと発信しています。また無錫サンテックパワーはすでに再建を完了させており、現在は経営面に不安はないようです。
サンテックパワーの太陽光発電のデメリットを挙げるとすれば、製品ラインアップが少ない点でしょう。他メーカーに目を向けると、多様な種類・形状の太陽光パネルを販売しています。
ただ、選択肢は少なくても、自身の環境や要望に合うのであれば何も問題はありません。
いずれにせよ、まずは見積もりを取り、設置容量や費用などを確認してみるのがいいでしょう。