住宅用太陽光発電
太陽光発電の設置を検討するにあたって、必ず考慮することになる固定価格買取制度。固定買取価格制度の内容についてご紹介します。
設置容量が10kw以下かそれ以上かによって、受けることのできる買取制度は異なります。
10kw以下の場合は「余剰買取制度」、10kw以上の場合は余剰買取制度と「全量買取制度」を選択することができます。そして、10kw以下の太陽光発電を「住宅用」・10kw以上の太陽光発電を「産業用」と呼びます。
なお、「住宅用」「産業用」であるかは、あくまで設置容量の違いによるもので、個人住宅で10kw以上の設置なら「産業用」ということで「全量買取制度」が利用でき(余剰買取制度も選べます)、また法人で10kw以下の設置なら「住宅用」ということで「余剰買取制度」が適用される場合もあります。
産業用 太陽光 |
10kw以上 | 住宅用 太陽光 |
10kw未満 | ||
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4月1日~ | 出力制御 対応機器 設置義務なし |
出力制御 対応機器 設置義務あり |
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調達価格 (税抜) |
21円 | 調達価格 (税込) |
28円 | 30円 | |
調達期間 | 20年間 | 調達期間 | 10年間 | 10年間 |
発電電力で自分の消費電力をまかなったのち、余った発電電力があれば、これを電力会社に売電して収入を得ることを保証する制度です。
買取期間は10年、売電価格は28円(税込・出力制御対応機器無し)と30円(税込・出力制御対応機器有り)となっています(2017年4月時点)。標準的な住宅に導入する際の設置容量は、大体 4~5kw程度ですので、個人住宅に設置する場合は概ね「余剰買取制度」が適用されます。
北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の需給制御に係る区域において、平成27年4月1日以降に接続契約申込みが受領された発電設備は、出力制御対応機器の設置が義務づけられ、これに該当する発電設備については、「出力制御対応機器設置義務あり」の調達価格を適用することとします。
設置が義務づけられていない場合には、仮に出力制御対応機器を設置したとしても、「出力制御対応機器設置義務なし」の調達価格を適用することとします。
また、国や県・市区町村から補助金を受けることができる場合もあるので、市区町村のホームページをご覧下さい。
自分の消費電力はこれまで通り電力会社から買う一方で、発電電力を全て売電することを保証する制度です。買取期間は20年、売電価格は2017年4/1から21円+税/kWhとなります。
10kw以上の設置容量を確保するには広い面積が必要となるため、多くの場合、アパートやマンション、工場や空き地といった広いスペースもつオーナー様・法人様が対象になります。売電価格(21円+税/kWh)が買電価格(15~25円/kWh)よりも高いため、余剰買取制度よりも売電収入は多くなります。
なお、法人が太陽光発電を導入するにあたり税制優遇を受けられる制度として、「グリーン投資減税」および「生産性向上設備投資促進税制」があります。
実は、売電価格は毎年引き下げられています。例えば住宅用の例でいくと、2010年は48円/kWhでしたが、2011・2012年は42円/kWh、2013年は38円/kWhと年々下がっていき、2017年は28円(税込)/kWh(出力制御対応機器無し)と30円(税込)/kWh(出力制御対応機器有り)となっております。
※住宅用の買取価格(出力制御対応機器無し・出力制御対応機器有りについて)
※北海道電力・東北電力・北陸電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の需給制御に係る区域において、平成27年4月1日以降に接続契約申込が受領された発電設備は、出力制御対応機器の設置が義務付けられます。
毎年下げられる理由は、もともと固定価格買取制度は再生可能エネルギーの普及を促進するために作られており、太陽光発電普及が進み、パネルの価格が下がるにしたがって、国は金銭面のサポートから手を引き、太陽光発電の自然な普及に任せる事にしているからです。
しかし、余剰買取も全量買取も「”固定”価格買取制度」であるため、導入した時期の売電価格がそのまま10年・20年と継続される契約になります。つまり、引き下げられるのは”導入時の”売電価格であり、導入後に契約上の売電価格が下がることはないのです。
そのため、毎年「導入時の」売電価格が下がるのが確実であれば、できるだけ早い時期に太陽光発電を導入し、高い売電単価で契約してしまう事が、早い導入費用の回収と高い収入に繋がります。
平成29年度4月1日より固定価格買取制度(FIT)は新制度が始まります。旧制度から新制度へ以降したい場合と、新制度で申請する場合とでは条件や手続きが異なります。
新制度に移行する場合は平成29年3月31日までに電力会社との接続契約締結が必要となり、この条件を満たさない場合は原則として認定が失効することになります。
※平成28年度7月1日以降に認定を取得している場合は、認定日翌日から9ヶ月の猶予期間、電源接続案件募集プロセス等に参加している場合はプロセス終了の翌日から6ヶ月の猶予期間があります。
新制度への移行後に必要な手続きとして、上記条件を満たしている場合は移行後6ヶ月以内に事業計画の提出が必要となります。
調達価格の決定は2,000kW以上の太陽光発電設備を対象に入札で決まります。入札は全国一律に実施され、落札した案件が認定を取得でき、落札した価格が調達価格となります。
※太陽光10kW以上を除いて、3年分の調達価格が設定されます。
電力会社との接続契約が締結できていることを要件化し、事業実施の確実性の高い案件が認定されます。メンテナンスの実施や関係法令の遵守等が求められ、事業の適切な運営を確保していきます。
認定された案件については、事業者名や設備所在地などの情報が公表されます。
※但し、太陽光20kW未満を除く
新たに電気事業者と買取契約を締結した場合、認定設備で発電された電気は送配電事業者が買い取ることになります。
なお接続契約に要する期間は、太陽光発電設備の発電出力や連系希望地点付近の系統状況などにより、大きく異なることがあります。住宅用(10kW未満)や低圧(50kW未満) の場合には比較的短期間で接続契約締結が可能ですが、高圧(50kW以上)の場合には必ず接続検討を実施しなければならないため、ある程度」時間を要することが予想されます。
接続契約締結までどの程度時間を要するかは、条件によって大きく異なるため、接続先の各電力会社に個別に相談しておきましょう。