住宅用太陽光発電
「太陽光発電を導入して、電気代を抑えたい」そう思っても、なかなか簡単には踏み切れませんよね。費用の問題やメーカーの選び方など、不安な点も多いと思います。しかし、メーカーや製品の特徴をよく理解すれば、自分の環境に合った選択ができるはず! 本記事では、日本を代表する電機メーカーであるパナソニックについて解説します。太陽光発電の導入を検討されている方はぜひ参考になさってください。
創業100年以上の歴史を持つ総合電機メーカーであり、また日本有数のグローバル企業であるパナソニック。
近年は再生可能エネルギーを活用したスマートシティ事業にも注力しており、常に新しい挑戦を続けています。
そんなパナソニックが太陽光発電システムの研究を開始したのは1975年。以来、日本で初めて売電可能な住宅用太陽光発電システムを設置するなど、40年以上にわたり太陽光発電の普及をリードしてきました。
パナソニックは当初、太陽光発電システムの生産拠点として、島根県に工場を設立しました。
しかし、生産コスト削減の観点から、生産拠点をマレーシアなど海外の工場に移します。
そして2021年、パナソニックは太陽光パネルの生産を終了すると発表。ただし、生産は外部に委託されるため、パネルの販売は継続されます。
パナソニックは「HIT」と呼ばれる太陽光パネルを採用しています。
HITパネルは発電量を重視したパネルで、従来の結晶シリコン基板にアモルファスシリコン層を加えた独自構造が特徴です。
ちなみに、HITパネルは限られた面積でも発電量が見込めるため、トヨタ自動車の「新型プリウスPHV」に採用された実績があります。
では、HITパネルには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
以下で詳しく解説していきます。
HITパネルは朝方や夕方、曇天時など日当たりが弱い時間帯でも、発電量の低下が小さいです。それは、より多くの電気を発生させるヘテロ接合型構造や、より多くの太陽光を取り込む低反射ガラスによって実現しています。
また、HITパネルは高温時でも発電量が安定します。
実は太陽電池には「温度が上がると出力が落ちる」という特性があります。しかし、HITパネルは一般的なシリコン系太陽電池と比較して、夏場での変換効率が46%アップしたという記録が残っています。
さらに、ウォータードレインコーナーと呼ばれる設計により、雨水がパネル表面の汚れを流してくれる点も、出力低下を抑えられる要因です。
HITパネルに付与される保証は以下の2種です。
・出力保証及
・瑕疵保証
つまり、出力が規定値を下回った場合、または製造に起因する故障が発生した場合に無料で修理対応してくれるのです。
保証期間はいずれも25年間。これは業界トップクラスの長期保証と言えます。
なお、出力保証については、適用条件が使用年数によって異なります。
適用条件を以下にまとめました。
使用年数 | 規定値 |
---|---|
10年以内 | 公称最大出力の81%未満 |
25年以内 | 公称最大出力の72%未満 |
さらに、太陽光発電システムを構成する周辺機器に対しても瑕疵保証が付きます。
保証期間は15年間。対象機器はパワーコンディショナ、接続箱、標準架台です。
HITパネルは「PS工法」と呼ばれる技術を用いて設置されます。
「PS工法」はパナソニック独自の施工技術で、パネル間の隙間が狭くなるのが特徴です。そのため、パネルがきれいに並べられ、美しい外観を叶えてくれるのです。
また、「PS工法」は施工者の技術力に左右されにくく、施工ミスが少ないというメリットもあります。
パナソニックは、パワーコンディショナやHEMSといった、太陽光発電システムの周辺機器も幅広く生産・販売しています。
そのため、太陽光発電システム内の各機器をスムーズに連携することが可能。また万が一トラブルが発生した場合も柔軟な対応が期待できるでしょう。
なお、パナソニックは蓄電池の生産・販売も行っています。
太陽光発電と合わせて蓄電池の導入を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
パナソニックの蓄電池で注目すべきは、創蓄連携システムのシリーズでしょう。ハイブリッドタイプで交流変換ロスを抑えられるのが特徴です。
HITパネルには3つのタイプがあります。
・標準タイプ
・ハーフタイプ
・台形タイプ
形状の異なる3タイプを組みわせることで、限られた屋根スペースにより多くのパネルを搭載できるのです。
それでは、各パネルのスペックを見ていきましょう。
タイプ | 公称最大出力 | 変換効率 | サイズ(mm) |
---|---|---|---|
標準タイプ | 255W/252W | 19.9%/19.6% | 1580×812 |
ハーフタイプ | 120W | 18.1% | 818×812 |
台形タイプ | 70W | 14.8% | 818×812 |
実際に設置する際は、最も性能が高い標準タイプをベースとし、空いたスペースをハーフタイプや台形タイプで埋めるイメージです。
一例として、設置パネルを5kWと仮定した場合、HITパネルは従来パネルと比較して、設置面積が約10.7㎡少なくて済むというシュミレーションが出ています。
なお、上記のシュミレーションは切妻屋根で行っていますが、屋根の種類によってシュミレーションは異なります。
HITパネルの価格はタイプによって異なります。
各タイプの価格を以下にまとめました。
タイプ | 価格(税込) |
---|---|
標準タイプ | 194,150円/191,950円 |
ハーフタイプ | 78,100円 |
台形タイプ | 50,050円 |
続いて、kW単価も見てみましょう。
kW単価とは、太陽光発電の1kWあたりの価格です。太陽光発電の「割安・割高」を考える際によく用いられる値で、以下の式で計算することができます。
設置費用÷パネルのkW数=kW単価
HITパネルのkW単価の相場を以下にまとめました。
kW数 | 設置費用 | kW単価 |
---|---|---|
6.05kW | 165.9万円 | 27.4万円 |
5.04kW | 150.5万円 | 29.9万円 |
4.03kW | 130.2万円 | 32.3万円 |
3.02kW | 105.0万円 | 34.8万円 |
設置するパネルの枚数によって設置費用は異なります。つまり、kW数によってkW単価は変動します。
また、設置費用は販売施工会社によって大きく変わる場合があります。
したがって、正確な相場を把握するためには、複数の販売施工会社から見積りを取ることが肝要です。
パナソニックの太陽光パネル「HIT」について、特徴や価格を紹介してきました。
さて、HITパネルを設置するメリットとデメリットを確認しておきましょう。
HITパネルは高温でも発電量が見込めるため、気温が高い地域には特に適しています。
また、複数の形状を組み合わせ、限られたスペースを有効活用できるため、屋根の面積が小さい家にもおすすめです。
HITパネルは、海外メーカーのパネルと比較すると高価格です。そのため、「初期費用をできる限り抑えたい」という方には不向きです。
とはいえ、太陽光発電システムの価格は、販売施工会社によって大きく差が出る場合が少なくありません。また設置費用についても同様です。
したがって、「初期費用をできる限り抑えたい」という場合は、複数の販売施工会社を比較し、最も安い一社を選べばいいのです。
ただ、「安い」だけではなく、きちんと信頼できる販売施工会社にお願いしたいですね。
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