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【太陽光発電】2021年度のFIT買い取り価格は?制度の詳細も解説

太陽光発電をすでに導入している人やこれから設置を考えている人にとって、太陽光の買い取り価格はいくらなのか気になるでしょう。太陽光発電の買い取り価格は、年々下落している傾向にあります。そのため、太陽光発電を有効利用するには、売電先や自家消費についてよく考えなければなりません。こちらの記事では、太陽光発電の買い取りについて解説します。

この記事の目次

  • 【FIT制度】太陽光発電の買い取り価格
  • 2019年問題とは?FITの改正で変わった買い取り事情
  • FIT終了後の売電価格はどうなる?
  • 売電?自家消費?太陽光発電の活用方法は2つ
  • 売電に関するよくある疑問Q&A
  • FITの買い取り価格を確認して売電を検討しよう

【FIT制度】太陽光発電の買い取り価格

【FIT制度】太陽光発電の買い取り価格
FIT制度(固定価格買取制度)では、自然エネルギーの買い取り価格を国が定めています。
買い取り価格は年度ごとに変わり、年々下がっています。

まずは2021年度の太陽光の買い取り価格と、これまでの価格推移を見ていきましょう。

2021年度の住宅用買い取り価格は19円

2021年度の住宅用買い取り価格は19円
2021年6月現在、2021年度と2022年度の買い取り価格が公表されています。
2020年度の価格と比較しやすいよう、3年分を表にまとめました。




10kW未満
(住宅用)
10kW以上50kW未満
(事業用)
50kW以上250kW未満
(事業用)
250kW以上
(事業用)
2020年度 21円 13円 12円 入札制度により決定
2021年度 19円 12円 11円 入札制度により決定
2022年度 17円 11円 10円 入札制度により決定
調達期間 10年間 20年間
調達期間とは価格が保証されている期間です。
調達期間中は売電価格が変わりません。
買い取り価格と調達期間は、調達価格等算定委員会の意見をもとに、経済産業大臣が決めています。

>> 太陽光発電の売電価格とこれから

これまでの太陽光発電の価格推移

これまでの太陽光発電の価格推移
2012~2022年までの10kW未満の買い取り価格は、以下のように推移しています
これまでの太陽光発電の価格推移

※2019~年度の調達価格は「出力制御対応機器設置義務なし」の場合

2012年度の買い取り価格は42円、2022年度は17円と価格は年々下落していることが分かります。

買い取り価格が下がっている背景には、太陽光発電システムの導入数が増えたことが挙げられます。

2012年は、現在ほど太陽光発電システムが普及していませんでした。
そのため、太陽光発電を普及するために買い取り価格が高かったと考えられます。

また、価格の下落以外にも、FIT制度の改正により太陽光発電の買い取り事情は変わってきています。
続いては、FIT制度の改正や「2019年問題」について見ていきましょう。

2019年問題とは?FITの改正で変わった買い取り事情

2019年問題とは?FITの改正で変わった買い取り事情
FIT制度や太陽光発電の話題において、「2019年問題」というキーワードを耳にした人もいるでしょう。
ここでは2019年問題と、FITの改正で変わった点を解説します。

2019年は「卒FIT」の年となった

2019年は「卒FIT」の年となった
2019年は、FIT制度の初期に契約した人が期間満了を迎えた年でした。
2009年11月に開始した「余剰電力買取制度」が現在のFIT制度に当たります。

余剰電力買取制度の調達期間は10年です。
そのため、2019年11月以降は多数の人がFIT制度の契約期間を満了しています。

なお、FITの期間満了になることを「卒FIT」と呼びます。

FIT制度の期間満了を迎えると、これまでの調達価格は保証されません。
電力の買い取り価格は年々下がっているため、今までより安い価格でしか売電できないというわけです。

さらに、FIT制度は2020年度に一部改正され、買い取ってもらえる範囲が変わりました。

改正により全量買い取りできる範囲が狭まった

改正により全量買い取りできる範囲が狭まった
2020年度にFIT制度が一部変更され、電力の全量買い取りできる範囲が狭くなりました。

・改正前:10kW以上から、全量買い取り可能
・改正後:50kW以上から、全量買い取り可能

改正前は、10kW以上50kW未満の電力でも全量買い取りの対象でした。
しかし、2020年度からは余剰買い取りのみとなります。
さらに余剰買い取りでは、以下の「地域活用要件」を満たさなければなりません。

・30%以上の電力を自家消費すること
・災害時の自立運転が可能であること

電力の30%は自家消費にあて、残りの70%を売電可能です。

FIT終了後の売電価格はどうなる?

FIT終了後の売電価格はどうなる?
FIT終了後は各電力会社が提供する、卒FIT向けの買い取りプランを活用することも検討しましょう。
卒FIT向けプランにおける買い取り価格は、各電力会社によって異なります。
各地域の大手電力会社の買い取り価格を、一覧表でご紹介します。
電力会社 買い取り価格(1kwhあたり) 対象エリア
北海道電力 8.00円 北海道
東北電力 9.00円 青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県、新潟県
東京電力 8.50円 栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県
関西電力 8.00円 滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県、 福井県、岐阜県、三重県
中部電力 7.00~12.00円
(プランにより変動)
愛知県、三重県、岐阜県、長野県、静岡県、東京都
北陸電力 8.00円
(かんたん固定単価プラン)
富山県、石川県、福井県、岐阜県
中国電力 7.15円 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国電力 7.00円 香川県、愛媛県、徳島県、高知県
九州電力 7.00円 福岡県、鹿児島県、長崎県、大分県、佐賀県、熊本県、宮崎県
沖縄電力 7.70円 沖縄県

※対象エリアについては、各都道府県内の一部地域に限られる場合があります。

なお、大手電力会社の他に、新電力会社でも卒FIT向けのプランを提供しています。
それぞれのプランを比較したうえで、売電先の電力会社を選ぶといいでしょう。

売電?自家消費?太陽光発電の活用方法は2つ

売電?自家消費?太陽光発電の活用方法は2つ
卒FIT後は、太陽光発電の活用方法は主に2つあります。

・電力会社と契約して今まで通り売電する
・蓄電して自家消費する

それぞれ解説します

今まで通り売電する

今まで通り売電する
FITの満了後も、地域の電力会社や新電力会社へ引き続き売電する方法です。
50kW以上の場合は、余剰売電か全量売電が選べます。

繰り返しとなりますが、買い取り価格は年々下がっています。
そのため、売電してもこれまでに比べると、低い金額しか手に入らない可能性があります。

また、自家消費せず全量を売電する場合は、建物で使用する電力には通常通り電気代が発生します。

蓄電して自家消費する

蓄電して自家消費する
売電せず、余った電力を蓄電して自家消費する方法です。
太陽光発電の電気を使えるのは昼間のみです。
そのため、蓄電しておけば夜間の電力も自家消費でまかなえます。

蓄電するには、蓄電池もしくは電気自動車が必要となります。
いずれにしても設置費用や購入費用がかかるため、よく検討することが大切です。

売電に関するよくある疑問Q&A

売電に関するよくある疑問Q&A
最後に、売電に関するよくある疑問にお答えします。

電力を売ったお金はどのように受け取るの?

電力を売ったお金はどのように受け取るの?
電力を売ったお金は、基本的には銀行口座へ振り込みとなります。
指定できる振込口座や振り込みのタイミングは、売電先によって異なります。
詳細は契約している電力会社へ確認しましょう。

自分の買い取り満了時期が分からない

自分の買い取り満了時期が分からない
住宅用の太陽光発電の場合は、調達期間が10年となります。
そのため、電力を買い取る業者と契約してから、10年後が満了時期の目安です。
具体的な満了日は契約書を見るか、契約している電力会社へ問い合わせると分かるでしょう。

買い取り期間の満了後、何もせず放置するとどうなるの?

買い取り期間の満了後、何もせず放置するとどうなるの?
契約が自動継続の場合は、継続時の価格で引き続き買い取ってもらえます。

注意したいのは、契約が自動継続ではなく、他の電気事業者とも契約をしなかった場合です。
買い取り手がいない状況となり、余剰電力は電気事業者が無償で預かります。

生み出した余剰電力を無料で渡す状態になるため、蓄電か売電をするのがおすすめです。

太陽光発電の設置後すぐ売電できるのか

太陽光発電の設置後すぐ売電できるのか
太陽光発電を設置しても、すぐに発電および売電はできません。
売電するには、電力会社との接続契約や、経済産業省への申請が必要です。

新築の場合は家が完成する前またはお引越しが完了する前に申請が完了します。
申請は工務店・ハウスメーカーが行ってくれることが一般的です。
諸々の手続き完了後に売電が可能となります。

FITの買い取り価格を確認して売電を検討しよう

FITの買い取り価格を確認して売電を検討しよう
FIT制度の買い取り価格は、年々下落しています。
太陽光発電については、2021年度の住宅用買い取り価格は19円となります。

FIT満了後は蓄電して自家消費するか、引き続き余剰分を売電するかを選びましょう。
蓄電には、蓄電システムや電気自動車が必要です。
引き続き売電する場合は、各電力会社の買い取り価格を確認し、どこに売電するか検討しましょう。

>> 蓄電池の本体価格と設置費用
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