オール電化
お引っ越しをしたり、お家をリフォームしたりすると、生活家電も一新したくなりますよね。もし省エネや節電を意識するのであれば「エコキュート」がおすすめです。実は「エコキュート」には省エネ以外にもさまざまな特徴があるのですが、あまり広くは知られていないようです。そこで本記事では「エコキュート」の魅力を詳しく紹介したいと思います。
エコキュートとは、それぞれの家庭に備えらている給湯器の一種です。
エコキュートの特徴は「電気」を動力源としてることです。エコキュートが発売されるまでは、給湯器の動力源と言えば「ガス」でした。
エコキュートが登場したことで、給湯器に対して「省エネ」や「環境保護」の観点が広まったのです。
では、エコキュートは電気を使ってどうのようにお湯を沸かしているのか。その仕組みを紹介したいと思います。
エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「貯湯ユニット」という2つのユニットで構成されています。
ヒートポンプユニットの役割は「お湯」をつくること、貯湯ユニットの役割は「お湯」をためておくことこです。
したがって、エコキュートの仕組みの要はヒートポンプユニットにあるのです。
ヒートポンプユニットには、以下のような4つの重要な機能があります。
冷媒とは「熱」を移動させるための流体の総称です。ちなみにヒートポンプユニットでは冷媒に二酸化炭素を利用しています。
つまり、ヒートポンプユニットは高温の二酸化炭素で水を温め、お湯をつくっているのです。
ヒートポンプユニットでは以上4つの機能を1サイクルとし、それを電気によって駆動させています。
ここでは、エコキュートのメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
エコキュートのメリットは次の3つです。
一般的に、エコキュートは夜間にヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯ユニットにためておきます。というのも電気料金プランによっては、昼間より夜間の方が電気代を低く設定してあるためです。つまり、エコキュートは電気料金プランに合わせて稼働時間を調節することで、電気代を安く抑えることができるのです。
またエコキュートは電気を動力源とするため、太陽光発電などの再生可能エネルギーと相性が良いです。住宅用の太陽光発電システムや蓄電システムを上手く活用すれば、環境にやさしいクリーンなエネルギーでの給湯を実現できます。
またエコキュートは災害時も頼りになります。もし電気やガスが止まってしまっても、貯湯タンクにたまっているお湯は使うことができるからです。ちなみに、電気はガスよりも復旧が早いと言われており、その点でもエコキュートは有利と言えます。
エコキュートのデメリットは次の3つです。
エコキュートは他の給湯機よりも設置費用が高額です。タンク容量によって設置費用は変わってきますが、最低でも30万円以上はかかります。ただし、エコキュートは自治体の補助金の対象になっている場合があります。エコキュートの設置を検討するのであれば、お住まいの自治体の補助金情報をチェックしておきましょう。
またエコキュートは2つのユニットで構成されているため、設置スペースも広くなります。また設置スペースだけでなく搬入時の動線にも気を配る必要があります。搬入が難しいと、そのぶん設置に手間がかかり、費用も高くなる場合があるので注意しましょう。
またエコキュートにはお湯切れの心配があります。貯湯ユニットのお湯を使い切ってしまうと、次にお湯が使えるまで時間がかかります。例えば、親戚や友人が家に泊まりにきてお風呂を使用した場合、お湯が足りなくなってしまうことがあるかもしれません。そんなときは、事前にお湯を沸かす量を調節しておきましょう。
前述した通り、エコキュートは夜間電力を活用することで、より経済的に運用できます。
では、実際に電気代はいくらになるのか、また従来型ガス給湯器と比べていくら安くなるのか、気になりますよね。
そこで、エコキュートの電気代の試算を紹介します。
なお、試算の条件は以下の通りです。
居住人数:4人
電力会社:東京電力
電気料金プラン:スマートライフS
では、試算結果を見てみましょう。
給湯器のタイプ | 年間の電気代 |
---|---|
エコキュート | 約29,756円 |
ガス給湯器(都市ガス) | 約70,661円 |
なお、この試算は三菱電機の「三菱 エコキュート」のホームページで算定しており、したがって同社のエコキュートの性能をもとにした数値となります。
一般的に、エコキュートの寿命は10~15年と言われています。
つまり、10~15年周期で交換費用もしくは修理費用が発生してしまうのです。
ただ、メンテナンスや定期点検をしっかり行えば、エコキュートの寿命をのばせる可能性があります。
エコキュートのメンテンナンスにおいては配管の洗浄がポイントです。
エコキュートとお風呂をつなぐ配管は水が溜まりやすく汚れもつきやすいです。そのため、多くのエコキュートには配管の自動洗浄機能が備わっていますのでぜひ活用しましょう。もし自動洗浄機能がない場合は手洗いでも構いません。
エコキュートの定期点検においては、漏電が発生したときに電気を遮断する機能の作動確認や、タンク内の圧力を保つための逃し弁の作動確認がポイントです。
電気を遮断する機能の作動確認は、まず電源扉を開け点検ボタンを押します。そこで漏電遮断器が「切」になれば正常です。最後に漏電遮断器を「入」に戻して扉を閉じましょう。
逃し弁の作動確認は、まずタンクの逃し弁レバーを上げます。そこで排水が始まれば正常です。最後に逃し弁レバーを戻して点検終了です。
なお、以上の定期点検は半年に一回を目安に行うといいでしょう。