住宅用太陽光発電
「太陽光パネル無料設置のサービス拡大!」近頃こんなニュースを目にした方もいるのではないでしょうか。太陽光発電は初期費用が高額なぶん「無料設置」がより魅力的に聞こえますよね。しかし一方で「タダより高いものはない」と疑いたくなるかもしれません。そこで、本記事では「太陽光発電の無料設置」の仕組みを詳しく紹介したいと思います。
住宅用の太陽光発電において、「無料設置」のサービスが広がっています。
無料設置サービスの提供者は主に太陽光発電メーカーであり、その狙いは「太陽光発電市場」と「住宅市場」との結び付きを強化するためでしょう。
「太陽光発電が無料で設置できる」となれば、ハウスメーカーや工務店も太陽光発電を提案しやすくなります。
さて、「太陽光発電の無料設置」と一口に言っても、サービスモデルはさまざまです。
大きく分けると次の3つになります。
それでは、サービスモデルごとに「太陽光発電の無料設置」を詳しく紹介していきます。
屋根貸しモデルは言葉の通り、自分が所有する建物の屋根を業者に貸し出すことで、太陽光発電が設置されます。
設置費用は業者が負担するため、初期費用0円で太陽光発電を設置できます。
一方、太陽光発電によって得られる売電収入は業者のものです。
ただし、売電収入の一部は屋根の利用料として、定期的に貸主に支払われます。
では次に、他のサービスモデルと比較するためにも、屋根貸しモデルのメリットとデメリットを見ていきましょう。
屋根貸しモデルでは太陽光発電の初期費用に加え、メンテナンス及び修理費も業者が負担してくれます。つまり、「設置コスト0円」「ランニングコスト0円」で太陽光発電が使用できるのです。
また屋根貸しモデルでは、屋根の貸出料として定期収入も発生します。ただ、金額は決して多くはありません。一般的に、屋根1平方メートルあたり年間100円程度の収入と言われています。
屋根貸しモデルでは、発電した電気を自家消費できるかどうかは契約次第です。したがって、必ずしも節電効果があるとは言えません。
また屋根貸しモデルでは、契約満了後に太陽光発電の所有権を得られません。そのため、太陽光パネルは取り外すことになるのですが、その際に屋根の穴埋め工事が必要になるケースもあるようです。
PPAモデルは第三者所有モデルとも呼ばれ、PPA業者が銀行や投資家から調達した資金で太陽光発電を設置します。
そのため設置費用の負担はありませんが、契約期間中に発電した電気はPPA業者から買い取ることになります。
ちなみに、「PPA」とは「Power Purchase Agreement」の略で「電力購入契約」という意味です。
契約終了後は、太陽光発電システムは建物の所有者に無償譲渡されます。ただし、PPA業者によって譲渡条件が異なりますので事前によく確認しておきましょう。
なお、PPAモデルは海外では「フリーソーラー」と呼ばれるポピュラーな設置方法で、日本でも大手企業や自治体などで導入事例が増加しています。
その背景には、PPA事業者に対する国からの援助があります。例えば、環境省が打ち出した「令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」もPPA事業者の支援につながっています。
PPAモデルでは、初期費用0円で太陽光発電を設置できる上、将来的には太陽光発電の所有権も譲渡されます。なお、契約期間中はメンテナンス費や修理費もかかりません。
またPPAモデルでは、太陽発電で得られる電気をPPA事業者から買い取り、自家電力として使用することができます。そのため、災害時などの停電対策としても機能します。
またPPAモデルは海外で成果を上げたモデルであり、国が推奨しているモデルでもあるので、一定の信頼が置けると言えるでしょう。
PPAモデルでは、PPA事業者が電気の購入価格を定めるため、契約期間中の電気料金が割高になる場合があります。
契約期間はPPA事業者によりますが10年以上はかかるでしょう。そのため、電気の使用量や購入価格によっては10年以上利益を得られない可能性もあり、有償設置と比較すると投資回収期間が長くなるケースもあるようです。
いずれにせよPPAモデルを検討するのであれば、複数のPPA事業者の契約内容をよく比較するべきでしょう。
リースモデルは初期費用0円で太陽光発電を設置でき、契約終了後は太陽光発電の譲渡を受けられる仕組みです。
一般的な契約期間は10~15年間で、契約期間中はリース料金が毎月固定で発生します。
ただ、PPAモデルと違い、発電した電気の使用料は発生しません。また発電した電気を売電することも可能です。
ただし、発電した電気の使用を制限される契約もあるので、事前によく確認しておきましょう。
リースモデルでは、上記のモデルと同様、「設置費無料」「メンテナンス・修理費無料」「譲渡」といったメリットが受けられます。
またリースモデルでは、発電した電気を自家消費するか売電するか自由に選べます。ちなみに、もし自家消費か売電か迷ったら、家庭用蓄電池を設置して電気をためておくという手段もあります。
またリースモデルを利用して太陽発電を設置しても、住宅ローンの審査には影響しません。新築時は太陽光発電を設置するタイミングとして適しているので、ぜひリースモデルを検討してみてください。
リースモデルでは、契約期間中に一定のリース料金がかかりますが、発電量は天候によって変動します。そのため、「リース料金と発電量の採算が合わない!」という事態も想定されます。
またリースモデルでは、契約年数が比較的長い点も不安要素の一つでしょう。契約満了時はFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)期間も終わっているので、長期にわたり発電量が予想を下回った場合、投資回収が難しくなるかもしれません。
ここまで、太陽発電のさまざまな無料設置モデルを紹介してきました。
では実際に太陽光発電を設置するとき、「無料設置」と「自費設置」のどちらを選ぶべきなのか、気になりますよね。
そこで、太陽光発電を「自費設置」した場合の費用対効果を試算してみました。
前提条件として、太陽光発電の出力は5kW、年間発電量は5500kWhとします。
そのうち自家消費量を30%、売電価格を21円とすると、年間売電収入は約8万円となります。
また電気代を1kWhあたり27円とすると、年間節電効果は約10万円です。
一方、設置費用は5kWの場合で約145万円が相場です。
以上の年間売電収入、年間節電効果、設置費用を踏まえると、10年間で約35万円の利益が出る計算になります。
このように長期的な視野で見ると、「自費設置」でも経済的メリットが見込めることが分かります。
ただ、「自費設置」の設置費用は販売施工会社によって大きく変わる場合があります。また「無料設置」の売電収入や節電効果は契約モデルによって異なりますので、一概にどちらが優れているとは言えません。
いずれにせよ、複数の業者の提案をよく比較した上で判断することが肝要です。
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