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家庭用蓄電池の容量の選び方とは?停電時に必要な電力や太陽光発電との関係性についても解説

災害時の停電や卒FITの対策として家庭用蓄電池の需要が高まっているようです。ただ、さまざまな容量の蓄電池がある中、どれを選べばいいか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、蓄電池の容量を選ぶときのポイントを解説していきます。

この記事の目次

  • 蓄電池の「出力」と「容量」について
  • 蓄電池の容量の選び方
  • 主要メーカーの蓄電池の容量をチェック
  • 蓄電池のメリット・デメリット

蓄電池の「出力」と「容量」について

蓄電池を活用した住宅

蓄電池の仕様の中で、まず注目すべきポイントが「出力」と「容量」です。

出力とは蓄電池から瞬間的に取り出せる電気量を指します。単位は「kW」です。

一方、容量とは蓄電池にためられる電気量を指します。単位は「kWh」です。

ちなみに、蓄電池の容量は「定格容量」と「実効容量」の2つに分かれています。

定格容量とは規定された条件下で蓄えられる電気量。一方、実効容量とは実際に使用できる電気量です。

実は、蓄電池は蓄電量が「0%」にならないように、定格容量に対して実効容量を小さく設定しているのです。

したがって、蓄電池を選ぶときは「実効容量」の値を参考にしましょう。

ところで、蓄電池選びにおいてはこんな質問がよく聞かれます。

「100V対応と200V対応はどちらを選ぶべき?」
「全負荷型と特定負荷型は何が違うの?」
「充電時間はどれくらいかかるの?」

そこで、それぞれの疑問について解説していきます。

100V対応と200V対応の違い

家庭用の電化製品は、100V電源で稼働しているものと200V電源で稼働しているものとに分かれます。

それに伴い、蓄電池も100V対応と200V対応に分かれているのです。

ちなみに、200V電源を必要とするのは消費電力の大きいエアコンや冷蔵庫、電子レンジなどです。

したがって、家庭にある電化製品の電力の大部分を蓄電池でまかないたいのであれば、200V対応の蓄電池が必要になります。

全負荷型と特定負荷型の違い

蓄電池は全負荷型か特定負荷型かによって、停電時の対応が異なります。

停電時において、全負荷型の蓄電池は家庭内の全電源に電気を供給することができます。そのため、部屋数の多い住宅やオール電化の住宅でも安心です。

一方、特定負荷型の蓄電池は先に設定しておいた一部の電源に電気を供給します。そのため、停電時でも必要最低限の家電をより長時間使用できるのです。

以上のように、全負荷型と特定負荷型はそれぞれメリットが異なるので、住宅環境や居住人数に応じて選ぶといいでしょう。

蓄電池の充電時間

蓄電池の充電時間はその蓄電池の容量によって変わります。

当然、容量が大きいほど充電時間は長くかかります。

例えば、「9kWh」の蓄電池を「4.5kW」の太陽光発電を用いて充電すると、
9÷3.15=2.857(太陽光発電の出力を70%と想定)
となるため、充電時間はおよそ2時間50分となります。

蓄電池の容量の選び方

蓄電池選びで悩んでいる女性

蓄電池の容量を選ぶときは、蓄電池を導入する目的から判断するのがいいでしょう。

家庭用蓄電池を導入する目的は、主に次の3つと言われています。

  • 太陽光発電の売電を自家消費に移行する
  • 住宅をオール電化に移行する
  • 災害時や急な停電に備える

太陽光発電の売電を自家消費に移行するのであれば、太陽光パネルの容量をもとに考えましょう。例えば、太陽パネルの容量を4.5kWと仮定します。さらに、1日の発電量を13.5kW、そのうち自家消費分を4.05kWと想定すると、売電分は9.5kWとなり、これがそのまま蓄電池の容量の目安になります。

住宅をオール電化に移行するのであれば、家の総電力消費量を把握することが肝要です。オール電化住宅の場合、IHクッキングヒーターやエコキュートを使用するので、電力消費量がぐっと上がります。したがって、それをまかなえるだけの大容量の蓄電池が必要になるかもしれません。

災害時や急な停電に備えるのであれば、停電時に使いたい家電を考えましょう。それによって必要な電力および蓄電池の容量が変わってきます。

主要メーカーの蓄電池の容量をチェック

チェックリスト

近年、需要が高まっている家庭用蓄電池は、さまざまなメーカーから販売されています。

そこで、蓄電池を選ぶ前に押さえておくべきメーカーをいくつか紹介したいと思います。

家庭用蓄電池の主要メーカーは以下の5つです。

  • シャープ
  • パナソニック
  • 京セラ
  • オムロン
  • ニチコン

では、各メーカーの蓄電池の特徴と容量を見ていきましょう。

シャープの蓄電池の容量

シャープの蓄電池はクラウドシステムを採用しているため、自動で最新機能にアップデートされていきます。またAI技術を活用しているため、そのご家庭に合わせた充放電の自動調節が可能です。
容量については「4.2kWh」「6.5kWh」「8.4kWh」「9.5kWh」の4種から選ぶことができます。

シャープの蓄電池の強みとは?太陽光発電との連携・蓄電容量・設置費用について解説

パナソニックの蓄電池の容量

パナソニックの蓄電池は太陽光発電との連携に優れており、また容量のラインナップが幅広いです。
容量は「3.5kWh」「5.6kWh」「7.0kWh」「9.1kWh」「11.2kWh」の5種から選ぶことができます。

パナソニックの蓄電池の性能とは?各製品の特徴・太陽光発電との連携ついても解説

京セラの蓄電池の容量

京セラの蓄電池は長寿命・高安全性・低コストの三拍子揃った「Enerezza(エネレッツァ)」という最新モデルが注目です。
同モデルの容量は「5.0kWh」「10.0kWh」「15.0kWh」の3種から選ぶことができます。また他モデルでは「6.5kWh」と「12.0kWh」が選べます。

京セラの話題の蓄電池「Enerezza」とは?太陽光発電との連携・価格・保証についても解説

オムロンの蓄電池の容量

オムロンの蓄電池はさまざまな住宅環境に合わせて4つのシリーズを展開しています。例えば「KPAC‐Aシリーズ」は単機能型蓄電システムを用いているため、太陽光発電を設置していない住宅でも使いやすい蓄電池です。
容量については「4.2kWh」「6.5kWh」「9.8kWh」「16.4kWh」の4種から選ぶことができます。

オムロンの蓄電池「マルチ蓄電プラットフォーム」とは?多様な蓄電システムの容量・価格・保証について解説

ニチコンの蓄電池の容量

ニチコンの蓄電池は業界トップクラスの容量を誇ります。一方でポータブル型の非常に小容量の蓄電池も販売しており、その多様なラインナップが特徴です。
容量は「2kWh」「4kWh」「11.1kWh」「12kWh」「16.6kWh」の5種から選ぶことができます。

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蓄電池のメリット・デメリット

メリットとデメリット

最後に、家庭用蓄電池を設置することで得られるメリットと、それに伴うデメリットにも触れておきます。

家庭用蓄電池のメリットは、蓄えた電気をいつでも自由に使えることです。例えば、太陽光発電は日中しか発電できませんが、家庭用蓄電池があれば朝でも夜でも太陽光発電の電気が使えます。したがって、発電した電気をすぐに消費したり売電したりする必要もありません。

一方、家庭用蓄電池のデメリットは高額な初期費用がかかることです。蓄電池の製造技術も進んでいるため、製造コストも下がってはいますが、まだまだ安いとは言えません。ただ、家庭用蓄電池は国や自治体の補助金の対象になる場合があるので、購入を検討する際はぜひ確認してみてください。

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