住宅用太陽光発電
一般家庭でも普及が進んでいる太陽光発電ですが、メーカーごとに特徴が違い、費用も幅広いです。そのため、メーカーを選ぶにあたり迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、アメリカの太陽光パネルメーカー、サンパワーについて解説します。ぜひメーカー選びの参考になさってください。
サンパワーはアメリカのカリフォルニア州、シリコンバレーに本社を構える太陽光パネルメーカーです。
サンパワーは1985年に創業し、変換効率が高いバックコンタクト方式の太陽光パネルで世界を驚かせました。
サンパワーの太陽光パネルは長期間にわたって安定した発電が期待できるため、住宅用としても産業用としても多くのユーザーに選ばれてきました。
なお、現在のサンパワーの太陽光パネルについては、サンパワーからスピンオフしたマキシオンが製造を担っています。
マキシオンが製造した太陽光パネルは世界トップクラスの変換効率22.6%を実現。同パネルは2020年の「スマートグリッドEXPO」で展示され、国際的に高い評価を得ました。
サンパワーの太陽光パネルは、次の2点において世界トップレベルと言えます。
では、それぞれの特徴について詳しく紹介していきます。
太陽光パネルの発電力については「変換効率」と呼ばれる値を指標にします。
変換効率とは、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する能力を示す値です。つまり、同じ日射量であっても、変換効率が高い太陽パネルの方が多くの電気を発電できるのです。
この変換効率において、サンパワーの太陽光パネルは世界最高水準の値を記録しています。
ちなみに、サンパワーと大手国内メーカーの変換効率を比較してみると以下の結果となりました。
メーカー | パネルの型式 | 変換効率 |
---|---|---|
サンパワー | SPR-MAX3-400 | 22.6% |
東芝 | SPR-X22-360 | 22.1% |
シャープ | NU-259AM | 19.4% |
京セラ | KK315P-5EL3EG | 18.8% |
サンパワーの太陽光パネルは耐熱ストレス性や耐腐食性の強化によって、「設計寿命40年以上」を実現しています。
太陽光パネルの平均寿命は25~30年と言われていることを考えると、いかにサンパワーの太陽光パネルが長寿命であるか分かりますよね。
さらにサンパワーの太陽光パネルは、設置から40年後でも発電力の90%以上を維持できるとのこと。
以上のことから、サンパワーの太陽光パネルは推定生涯発電量の平均値を大きく上回ると期待されています。
サンパワーの住宅用の太陽光パネルは2種類あります。
マキシオンソーラーパネルの特徴は、表面に電極のないバックコンタクト構造を採用している点です。そのためより多くの太陽光を吸収でき、また変換効率も高いので発電力は抜群です。ちなみに、裏面は破損や腐食を防ぐ銅基盤を備えた独自のソーラーセル技術が採用されています。
パフォーマンスソーラーパネルの特徴は、景観に溶け込む洗練されたブラックデザインです。また短冊状セルからなる最先端のシングルドテクノロジーにより、周辺建物や木の影による影響の最小化を実現している点や、「2018 DNV GL PVモジュール信頼性スコアカード」において4つの信頼性テスト「温度サイクル試験」「高温高湿試験」「動的機械加重」「電位誘発劣化試験」の全てでトップパフォーマーに格付けされている点も見逃せません。
では、それぞれのパネルの変換効率や設計寿命を見てみましょう。
マキシオンソーラーパネル | パフォーマンスソーラーパネル | |
---|---|---|
公称最大出力 | 390-400W | 370-390W |
変換効率 | 22.1-22.6% | 18.9%-19.9% |
設計寿命 | 40年 | 35年 |
サンパワーはあくまで太陽光パネルメーカーであり、太陽光発電システム全般を取り扱っているわけではありません。
そのため、サンパワーの太陽光パネルを設置する場合は、他社の太陽光発電システムの構成機器を含めた見積もりを取る必要があります。
したがって、サンパワーの太陽光パネルの価格は一定ではなく、見積もりを依頼した販売施工会社によって上下するでしょう。
サンパワーの太陽光パネルの相場については、先に紹介した最新モデルの情報はまだ出ていません。ただ、参考までに過去モデルの相場を紹介したいと思います。
過去モデルの相場は、1kWあたり約30.5万円でした。
これは、いわゆる「kW単価」と呼ばれる指標です。ちなみに、日本における住宅用太陽光発電の「kW単価」の平均値は約28.6万円(2020年時点)です。
太陽光発電市場では一般的に、海外メーカーは国内メーカーと比べて低コストと言われていますが、サンパワーはその限りではないようです。
サンパワーの太陽光パネルには2つの保証が付与されます。
保証期間はどちらも25年間です。
出力保証は太陽光パネルの出力値を一定以上に保ってくれる制度です。設置1年目は最大出力の98%を保証、2年目以降はパネルの種類によって保証値が異なります。
マキシオンソーラーパネルの場合、年0.25%の劣化率を基準としています。つまり、設置25年目でも最大出力の92%が保証されるのです。
パフォーマンスソーラーパネルの場合、年0.45%の劣化率を基準としています。つまり、設置25年目でも最大出力の87.2%が保証されるのです。
機器保証は太陽光パネルに故障が発生した場合に、修理もしくは交換が受けられる制度です。ちなみに、機器保証は出力保証と比べて保証期間が短く設定されているケースが多く、15年や20年に設定しているメーカーも少なくありません。その点、サンパワーの25年という保証期間は魅力的と言えます。
最後に、サンパワーの太陽光パネルのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
サンパワーの太陽光パネルのメリットは「機能面」でしょう。特に発電能力においては業界トップレベルです。
そのためパネルの設置枚数が少なくても、比較的安定した発電量が確保できます。
日本住宅は屋根が小さい傾向にあり、ともすると太陽光発電には不向きですが、サンパワーの太陽光パネルなら解決できるかもしれません。
サンパワーの太陽光パネルのデメリットは「費用面」でしょう。パネルが高性能であるぶん、費用が上がってしまうのは仕方ありません。ただ、「海外メーカーは低価格」というイメージが広まっているため、期待はずれに感じてしまうかもしれません。
ちなみに、低価格な太陽光発電メーカーとして以下のような海外メーカーが挙げられます。「費用面」を重視される方はぜひチェックしてみてください。